正論をキツイ口調で言ってしまう大学生と下宿先の大家の孫で家事が全く出来ない絵本作家の恋のお話。
二人の雰囲気がとても温かく、読んでいてほっこりしました。左々山くんは正論ばかりでキツイ印象を周りに与えているようですが、ちゃんと付き合えば面倒
見が良いし、きちんと話を聞いてくれる優しい子だなと思いました。人との距離感とか、それに応じた話し方を分かってないだけで、ちゃんとしたお付き合いから始まっていればなつさんとのようにとても良好な関係が築ける人だと思います。また、道さんも話すことを上手く頭で纏められないだけの引きこもり。二人ともコミュ障なのがもったいないくらい根がいい人たちです。そんな二人の出会いが、お互いにいい刺激を与え、一方は丸く、一方はしっかりとした人へと変化していく過程が素敵だと思いました。理解してくれる、大事にしたいと思える相手に出会うことの大切さを教えてくれる作品です。
途中までは全くそんな雰囲気もないのに、急に体の関係に至ってしまい、実はお互いに好きだったとなったのは、物語の流れ的にはだいぶ急展開でした。ほのめかす様子もなく恋愛関係になるのは初めてで驚きましたが、作品の雰囲気と何故か合っていて、あまり違和感を感じずに読めました。そんな雰囲気作りの上手い作家様なんだと思います。ぜひ、他の作品も読んでみたいと思いました。
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