「ただいま、おかえり」シリーズ第2弾、家族が増えたことで、断ち切った自分の過去と向き合おうとする真生の帰省編です。
前作のように、自分が親になること、親として成長していくことで考え方に柔軟性が生まれ、きちんと過去と向き合おうとするお話です。今回も家族の絆に感動し、幸せな気持ちになりました。
シリーズ2作目を読んで、この物語は他のオメガバース作品よりもリアルな世界に近いなと感じました。パラレル的にこんな現実世界が存在するのではと思うくらいです。ただ、階級差別のようなものは実際の私たちの世界より重く、性による体の作りの違いが本能に訴えかけ、抗えないというのは意志を強く持つだけでは乗り越えられない問題なのでとても難しいと感じました。
和くんが守らなきゃと思っていたのも種別の違いの刷り込みであり、真生だけじゃなく、彼も差別という壁に囚われた一人なんだと思います。真生をあげないと突っぱねた輝は本当に強くて素敵なヒーローでした。
そして同じ家族であってもを種別の違う子が生まれてしまうオメガバースの世界の切なさに胸が痛くなりました。理解してあげたい、力になってあげたいと願う真生の親の気持ちを考えると辛かったです。藤吉家だけじゃない、家族の愛を感じられる2作目です。