読み終えた後にまず感じたのは、なんて壮大な物語なのだろうということでした。異世界ファンタジーや恋愛小説という枠だけでは語りきれない、神話のようなスケールを持った作品だと思います。
ニキアスと藍の関係はもちろん魅力的ですが、それ以上に神々や神子たちが背負う運命、世界の成り立ち、人々の願いや祈りまで丁寧に描かれていて、物語の奥行きに圧倒されました。読み進めるほど世界が広がり、気が付けばその世界に没頭していました。
また、単純な善悪では割り切れない登場人物たちも魅力的でした。それぞれが苦悩や使命を抱えながら選択していく姿に説得力があり、誰か一人だけが主人公ではなく、多くの人物の人生が交差してひとつの大きな物語を作り上げているように感じました。
恋愛の甘さや切なさだけでなく、冒険譚としての面白さや神話を読むような高揚感も味わえる作品でした。読み応えのある壮大な物語を楽しみたい人におすすめしたい一冊です。