「動物版 人間讃歌」というキャッチコピーに興味をひかれて読み始め、面白くて一気に読みました。いまは新刊を毎回楽しみにしています。
動物達の描き方が巧くてまず絵で楽しめて、ストーリーも深く、考えさせられます。
登場人物はそれぞれの種族の特徴を背負っていて、それが劣等感やプライドとなっています。「ウサギ・シカに生まれたこと」「オオカミに生まれたこと」に対して、抗ったり受け入れたりしながら、彼らが成長していく姿は、まるで現実社会の人間を見るようです。生まれた人種・性別・出身等どうしようもないことに苦しんだり、誇りをもったり。そんなことを考えさせられる物語の深さがあります。
特に、草食と肉食の関係は現実社会の様々な対立を思い起こさせます。暴力で被害者になることが多い側が、偏見や差別の面では加害者になったりするところは、そのまま人種や性別の対立に置き換えて考えてしまいます。
長々書きましたが、実際はとにかく面白いです。ぜひ読んでみてください。おすすめです。