柊を構う菖蒲の気持ちが、冒頭から恋なのではとうっすら感じられ、構われた柊はそれによって学園生活が散々だったと言葉では言っていながら、学園生活の回想には、菖蒲が柊にかけた心からの言葉、優しさが滲み出ていて、柊にそれは確かに埋め込まれ、柊の世界を広げている。その二人の恋の期待感が冒頭からずっとあって、それがワクワクと楽しくて、最後までその恋のトキメキを感じられる、とても面白い作品でした。何というか、恋心を伴った日常の喧騒、うざったさ、菖蒲が去って唐突に訪れた空しさ、寂しさ、味のない日々、そんな空気感と心のざわつきや虚無等が、作品全体から印象的に感じられ、その情感が沁みてきて心を捉える感じの作品。そして最後、柊が菖蒲に想いをぶつける場面がすごく良くて、響いてきました。
少し場面転換が分かりづらい面がありますが、内容把握に特に問題はなく、込められている恋の心情に魅せられ、余韻の残る素敵な作品で、最初から最後まで面白かったです!ちょこちょこ感情が湧き出る柊の姿も可愛かった。柊に構う菖蒲の心情も、真摯に柊に言葉を贈る菖蒲の性格も好ましくて、キャラも魅力的でした。面白くて、引き込まれて読んだ作品です。まだ二人のこの先も読みたいです!!