マミタ先生の作品は5作品目ですが、遂に理想の女装オジ受けに出会ってしまって大興奮!BL読み始めて女装する男性の色気に新しい扉を開かれ、いろいろ探して読んできました。最初は女性に見える女装の可愛さに萌えていましたが、ズブズブと深みにハマっていくうちにゴツイ身体で似合わない女装をする姿にときめくようになりました。このお話の真鍋は似合ってないのはもちろんなのですが、似合わせようと、女性に近づけようとしていないところが魅力的に見えました。女装バーでのバイト中も、客からはいじられて人気も微妙で良いことは無いはずなのに、あんな笑顔で堂々と接客できるのは凄いと思いました。
昼間の仕事では勤続年数も長いのにケアレスミスを連発して、仕事ができない男の典型みたいな真鍋。見た目も歳より老けて見えるような締まりのないオッサン顔なので、イライラした客の格好の餌食になったり、部下からダメ出しされたり、日々ストレスをためています。でも、仕事ができない鈍臭い自分をよく分かっていて、行き場の無い鬱憤を他人にぶつけることなく、秘密の趣味に注いでいる。女装している時間はもとより、無心で女装の服を作っている時も、真鍋にとっては自分を取り戻す大事な時間。日々すり減っていく何かを放置していたら、そのうち自分が自分じゃなくなって生ける屍になってしまう。そうなる前に手を打てた真鍋はすごい。メイクしないで女装するのも、化粧が下手で似合わないというのとは別に彼なりの想いがあるのではと思いました。
攻めの青天目は28歳で容姿も良くて仕事もできて真鍋の正反対みたいな人だけど、彼に無いものを真鍋は沢山持っていて、女装する真鍋を初めて見た時から猛烈に惹かれているのも、ただの性癖というだけじゃ無さそうです。硬い鎧を身に纏い、自分を守ってきた青天目が、職場やプライベートで真鍋と接する内に少しずつ変わっていく。また真鍋の方も何も隠さず一緒に居られる人ができて足場が固まったような安定感を手に入れた感じがしました。これからも2人で良い影響を与え合って幸せに暮らしてほしいなと思いました。