つらい。なんて過酷な境遇なんだろう。自分が望みもしない役目を押し付けられて、でも拒否権なんてなくて。鬼道が気の毒で可哀想で仕方がなかった。環境のせいで情緒も中途半端にしか育ってなくていつも1人。上巻は正直読んでてしんどかったし気が滅入りました。
どんな痛みも取り去ってくれる、自分を全て受け入れてくれる存在なんて、そりゃ大事になるに決まってる。大切にしたい人も未来もない鬼道が唯一の人に出会えて愛されて本当に良かったと思いました。
ただ上巻後半、吉野の気持ちの変化がちょっと急速に感じたのでそこをもう少しきちんと描いて欲しかったです。同情から放っておけなくて、大事にしたくてというのはわかるんですが、そこから体まで受け入れてしまうのが、いつの間に性愛にまで発展しちゃったの!?と思いました。
結末に関しても、設定すごいし辛い展開しか思い浮かばないところからどう決着つけるんだろうとドキドキしてたので、あそれでいいんだ…とちょっと拍子抜けしてしまいました。鬼道が穏やかに幸せに暮らしてるのは本当に良かったと思うんですが、イキガミの設定からどんな切ない展開が来るかと思っていたのでこの畳み方はちょっと安易な感じがしてしまいました。バタバタと駆け足で進んで解決、めでたしめでたしって感じだったので今までのはなんだったのー!って思ってしまいました。最初の印象からするとかなり甘いところに落ち着いてしまったなぁと。イキガミとドナーっていうすごい設定が上下巻には収まりきらないものだったような気がします。もっと突き詰めて欲しかった!とちょっともったいなく感じてしまいました。