「サハラの黒鷲」を読んでから本作を読むと、キャラの深みを感じてすごく楽しめました。「黒鷲」は、不安や緊迫感のあるストーリーでしたが、本作はイングルに恋するビャクの恋がメインで、ビャクの報われない恋心がすごく切なく可愛らしく、見守る周りの仲間もすごく温かくて情愛があり、それぞれのキャラの良さも滲み出て感じられる作品。ビャクのキャラがすごく良くて、イングルの態度に涙を堪えて忍ぶ長年の恋心が胸を締め付けてきます。「黒鷲」でも出てくる呪い師も登場し、その事に対し共に関わり共犯にもなりながら、少しずつビャクに気付いていくイングルとの恋の展開を楽しめます。子供の頃のイングル、黒鷲、トールの描写もあり、三人の関係性もわかり、より作品の世界を堪能出来ます。