寄宿舎という閉ざされた空間で、吸血鬼がいるのでは…という噂が持ち上がり……
ファンタジーでありながら、ミステリー要素も感じられる始まり。なので、ぜひともネタバレなしで読まれることをおすすめしたいので、なるべくあらすじに触れないように…
徐々に全容が明らかになるにつれ、あぁこれはただ人間対吸血鬼(吸血人間)の話じゃない、あまりに不条理で理不尽な、切なすぎる愛の話なんだ、と。レビュータイトルのセリフの通り、愛することで相手を苦しめてしまうという辛さ、行き場のなさ…
こんな設定、世界観を作られた鯛野先生、素晴らしいです!『星の鱗粉」とかロマンチックなところも素敵。
ただ、最後は強く前を向いて、という幸せなラストなので安心してください。これから先の彼らの幸せを願いたくなります。先生のスピンオフ読みたいなぁ。幸せになってほしい…!