初めて読む先生の作品でしたが、絵柄と物語の雰囲気がすごくマッチしていて、何度でも読み返したくなる優しいお話でした。
まず、登場人物に悪い人がいない。一見粗野だったり、現代っ子だったり、ふたりを掻き回す役割の人たちもいますが、根底がみんなすごく優しく、ちゃんと相手の幸せ願うことのできる人たちなので読後感がとても良い。
メインふたりの関係性は、描き方によっては強い執着を感じさせてしまうし、受けくんが心にも身体にも、物理的な傷を持っているという重い題材を扱っているのに、それが軽やかかつ健康的に描かれてるのが個人的にすごく好きでした。自分が重い愛を抱いているのも分かった上で、それが相手に必要なものと自負しているからのようにも思います。運命みたいな、ロマンチックな出会い方のプロローグも素敵。
ベッドシーンは意外とあり、ものすごく濃厚、といわけでもないですが丁寧に描かれているので満足度高め。受けちゃんの表情がめちゃくちゃ良いです…!
部屋に飾っている写真について、事故のはなしなど、お互いがまだ知らない、まだまだ触れられそうな要素も散りばめられていると思うので、続編を期待しています。