週刊誌記者で張り込み班に異動になった男とカメラ担当の同期がコンビを組むことになり、最初は考え方の違いで衝突ばかりしていたものの、共に事件を追ううちにお互いが気になり始め、恋人同士になるお話。
お仕事のお話も深く、ストーリーがとても面白いです。でも、何と言ってもキャラが良い。最初は、飄々としていて何でもソツなくこなす蕪木の身のこなしなどがちょっと胡散臭くてミステリアスでカッコいいなと気に入っていましたが、読めば読むほど尾上の良さに惹き込まれました。バカ素直だし、常に全力で真っ直ぐ猪突猛進。人を疑うことなくすぐに信じてしまうから傷つくのではと心配になるのに、どんなことに遭遇しても擦れることなくめげない強さと優しさを持っている。嘘と欲にまみれた週刊誌業界の中にはいないその人柄が、あらゆる人の心を動かし、巻き込みながら影響していく。何ていうか、誰にとっても憎むに憎めないタイプだと思いました。疑われたり、裏を探られたりする世界で、真っ直ぐに自分と向き合ってくれたり、全面的に信じようとしてくれる尾上の存在は貴重なだけでなく、まばゆいくらいの光だったのかなと思います。
そして、蕪木もそんな尾上に惹かれて影響されていきます。尾上に対して嫉妬したり独占欲を強くしたり、ポーカーフェイスでローテンションな一面が崩れていくのが楽しいし、愛を感じます。そんな二人の遠慮のないケンカやいちゃいちゃなどのやり取りが本当に面白いです。ずっとずっと続いて欲しい作品です。