高校の同級生である二人が、卒業後の環境の変化に振り回されながらもお互いの気持ちを確認し恋をするお話。
高校時代の絆があれど、卒業後の環境の変化は本人たちが予想する以上に大きいものだということを認識させられる物語です。側にいたいから同じアパートに住んだのに、結局側にいる時間が取れず、本人も新しい環境に慣れることに精一杯で、大切にしたかった気持ちがおざなりになってしまう。そしてそのことに本人が気付かないというのは現実世界でも良くあるだけにとても胸が痛くなりました。大原の置いてけぼり感は淋しさだし、ゲイであると認識しているからこその疎外感なのかもしれません。両思いだと確認し合っても、すぐに付き合うことを受け入れられない気持ちも何だか良く分かります。体を繋げても、気持ちを伝えても、淋しさはすぐに埋められないものなんだと思いました。でもそれに対して河合も諦めずに伝え続けたこと、そして先輩が素敵なキューピッドだったお陰でハピエンに。先輩の、付き合って上手く行くか分からないのは男女でも同じとか、考えるのは別れる時でいいとか、諦められないなら振り向かせるしかないなどのアドバイスは当たり前のことばかりなんだけど、改めて言われると身に沁みて、心に突き刺さりました。セリフと共に心理描写が丁寧で、星を見るということが同じ方向を向く気持ちの描写に繋がっていてとても良かったです。