夜明けがいちばん暗い
」のレビュー

夜明けがいちばん暗い

山田ノノノ

きっと一生、この作品は私の心に残り続ける

ネタバレ
2024年12月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 発売日当日に入手して2周したものの、感情が溢れ過ぎて大渋滞起こし、なかなかレビュー出来ずにいた作品でした。
これは…サイトーさんに感情移入し過ぎると危険。呼吸困難起こしそうなくらい辛くなる。。。「死んで楽になる自分すら許せない」ほどの自責の念に苛まれていたサイトーさん。どれほどの痛みなのか、その胸中を想像することすらおこがましいのではないかと思うくらい、辛い出来事を経験したのでした。

そんなサイトーさんを救ったのは、どこまでも純朴で素直で混じり気のないタカヤでした。序盤のタカヤを見て「アホな子なのかな?」と思ってほんとごめんなさい。自分にできることを探し懸命に努力できる子がアホな子である訳がない。難しい言葉を知らなくても、純粋に内から出た言葉を真っ直ぐ相手に伝えられるのは素晴らしい能力。そのタカヤの飾らない言葉が、言葉を紡ぐ事を生業とする小説家のサイトーさんにめちゃくちゃ響いたんでしょうね。
サイトーさんが生きていてくれて良かった。タカヤがタカヤで良かった。2人が出会えて本当に良かった。
めちゃくちゃ苦しくなるけど、めちゃくちゃ救われるお話。大切な人を亡くした痛みは一生消えないけど、その痛みと共に、新たな世界を生きていく……。ノノノ先生のあとがきも読んで、この作品に込められたメッセージにすごく納得したというか、何かがストンと胸に落ちた気がしたのでした。

もともと涙脆い私ですが、これはマジで泣けた。ハンカチじゃ足りなかった。涙脆い同胞よ。メンタルが元気な時にバスタオル準備して読む事をお勧めします。

ノノノ先生、素晴らしい作品をありがとうございました。きっと一生、私の心に残り続ける作品の一つになりました。
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