このレビューはネタバレを含みます▼
盛大ネタバレありです。
進展しそうでしない、でも確実に変化していく2人の関係に見悶えました。ミニシアターに何度も足を運ぶほどの大の映画好きが、思い返すのは映画の内容じゃなくて一緒に映画を見ていたアイツのことばかり。
会いに行ってたんでしょ?自分でもそう言ってるじゃない。そういうことなんだよってメガネくんに言ってあげたい。
かたやメガネくんの名前も知らない、連絡先も知らない、住所もわからないのに会えなくなった途端にあてもなく住んでいる町へ探しに行ってしまう。その衝動はなぜ?そういうことなんだよってアイツにも言ってあげたい。
会いに行くのに必要な時間は片道映画一本分。正直めちゃくちゃ長い。知り合い程度の友達に費やせる時間じゃないのよ・・・何かが生まれているのかいないのかすら気付いてない2人が無意識にお互いを求めている様子が、読んでいるこちらの心を揺さぶってきて胸がきゅっとなります。
最後メガネくんが階段を下りてアイツを探してる描写。あの数コマはちょっとやばかった!ものすごい名シーンだと思います。
それこそサブカル好きの小さな単館シネマで上映される映画のような名作でした。フォローさせていただいている方がこぞって高評価な理由がわかります。こういう言語化が難しいけど胸にじわっとくるような作品大好きです。