Qの婚姻
」のレビュー

Qの婚姻

小石川あお

愛蔵版を出して欲しくなる

ネタバレ
2025年6月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ きっと豪華な装丁と装飾が映え、愛おしい一冊になると思うから。でも電子でも充分愛おしく、泣いちゃってなかなか読み返せない。

描き込みが細やかで美しく、世界観が確立されている。
なによりキャラクターが魅力的。一途な勇者とキュートな魔王の、恋は乙女のように清らかでいじらしい。賑やかす魔王軍たちも見ていて飽きない。

若くて優しい勇者には、フルールドリスの紋章があしらわれた小粋な衣装が良く似合う。宝探しの旅には心が躍り、待つ身の魔王のあれこれには自然と頬が緩む。

やがてある出来事に焦点があたり、ひとつの結末へと物語は加速していく。少しずつ近付くそれを前に、ただただ息をひそめ、ページをめくる。

物語に身をおき没頭する時間の、なんと幸せなこと。
皆様のレビューを読んで、またじわり。
登場人物のあの人もこの人も。物語のあの時のそれもこの時のそれも。全てが愛おしい、そんな作品です。
いいねしたユーザ10人
レビューをシェアしよう!