君がわるい恋の話
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君がわるい恋の話

大麦こあら

チラリと一コマひろむの腰の窪みが色っぽい

2025年7月1日
良きDKBLでした。
まだまだ未熟な高校生の精神。
主人公ふたりだけではなくみんなが凸凹不安定な中、それぞれの形で自分の輪郭を探してるよねぇ。

気味が悪い(君がわるい)自他ともに認める一軍拓郎と隅っこゲイっ子ひろむ。
彼らの持つ心の傷とひずみをそっと少しずつ優しく触れあうようにお互いがしっかりと抱きしめる。
傷をみせるのは勇気がいるけど、凄く自然に向き合っている二人。
芯の強い男前なんだよねぇ。

拓郎の不気味さについては、
彼が信じて立っている場所がよく分からなくってしまった出来事がトリガー。
ああ~これは10代にはありがちな出来事だけどズタボロの精神になってしまうよね…と。
でもその不気味でふわふわと頼りない不安をひろむはちゃんと見つめて向き合って支えてくれる。
こういう人との出会いはね、恋に落ちないとしても人格形成において要になるんだよね。
そして、ひろむの傷ついた心を拓郎は強く抱きしめながら全身で温めてくれる。
じっと見つめて、不安な心をひとつずつ手のひらであたためるように大切に。

なんて男前なんだよ。
きっと二人とも初めての愛おしさを胸に抱いたんだろう。

これから二人は受験を迎え、成人してゆくことでしょう。
こあら先生のあとがきで「続篇」のお言葉がありましたよね!!
もうちょっとたっぷり追いかけたいんですけど。
完結表記なってますが、どうぞもうしばらくみつめさせてください。

待ってます!

**252ページ**
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