家族になる方法【タテヨミ】
」のレビュー

家族になる方法【タテヨミ】

MOZU

素敵なお話を取りこぼすところでした。

ネタバレ
2025年9月23日
このレビューはネタバレを含みます▼ タテヨミにはついつい執着系やらパワーセッ○スに重点を置きがちな私ですが、たまに現れるほのぼの感涙系に意識かっ攫われることもしばしば。
コチラの作品は両方をうまい具合に融合しつつ、題名の通り「家族」に焦点を当てている作品。
幼少期から不憫極まりない年下のウンハと真っ直ぐに育ったドヨン。
それぞれの成長と愛情が育まれ心温まるエンディングへ。
派手さは全くないのですが優し気な作画と丁寧なストーリー、感情を大切にした良作と思います。

ストーリーに大きく関与するのがウンハの受けた精神的ぎゃく待。
彼の恐怖と孤独を想像すると身震いするどころか怒りと悲しみで私が暴れ出しそうだわ。
お話のはじめの方は背徳感のあるラブストーリーがメインで甘酸っぱささえ感じます。
ちょっと執着メンヘラ系?なんて想像するくらい。
でも中盤からがウンハの苦しみが中心となって描かれてゆくのですが、その内容が全く軽くなくちょいちょいと解決なんてしません。
それでいいんですよ。
一生消えないほどの傷なんですから。
苛まれるのが当然なくらいなんですから。
そういうストーリーが気に入りました。
そんなウンハを理解することが出来ずに歯がゆい思いのドヨンと手を取り合うまでが本編です。
ウンハが語る新居の夢があまりにも素朴であたたかくてどうかどうか幸せにと祈るような思いになります。
…あぁ思い出しながらまた泣けてきちゃう。

第74話からは外伝。
ここからもまだウンハの心の不安定は続くのですが、都度ドヨン兄さんの愛情と心のこもった言葉に救われて感激。
ウンハの考えや心を尊重しながら彼の目の向く方を肯定し続けるドヨンの包容力と愛情に心打たれて仕方がない。
作家様の心から出てくるセリフなのかドヨンが動いて出てくるセリフなのかわからないのですが、本作品通して彼らが考え抜いて発するセリフの力が素晴らしく心に響いてきました。
エンディングでまた感涙…そうかそう受け止めればいいんだ…と私も将来の私に声をかけてあげたいと思いました。

※結構致しているシーンはあれど見えない構図です。しかし激しさは伝わってきます。
※MVPはソンフン(友人)と母。最高のアシストでした!
※とにかく愁いを帯びた表情のウンハの赤面が最高に色っぽい。
※精神的ぎゃく待に弱い方はお気をつけあそばして。

ものすご~く好きな作品でした。
出会えてよかったよ。
いいねしたユーザ22人
レビューをシェアしよう!