水井恭一のTEENAGE LUST
」のレビュー

水井恭一のTEENAGE LUST

つづき春

身体より心が欲しいから

2025年10月12日
3歳からゲイを自覚し、その容姿とテクニックでさまざまな恋愛を繰り広げてきた、ある男の物語――。

初出は2001年。
毎年何千冊というマンガが出版されているなか、四半世紀たった今でも電子書籍で販売されている理由が気になって、ずっとお気に入りに入ってた作品。

絵も演出もレトロ。平成の香りがすごい。
でも古さを感じていたのは最初だけで、話の面白さにあっという間に物語に引き込まれていった。
他のレビュアー様も仰っていますが、今の時代にはないストーリー構成。
逆にそれが今読むとすごく新鮮。
そもそも13歳っていうのが今のコンプラでは無理じゃないかな…すごいな平成のBL。

そんな年齢からバリタチとして経験を積んできた彼が、次第に自分が本当に求めているものは何なのかを自覚してゆくところ、感慨深かった。
そしてこのストーリー構成が、最後にきちんと意味を持ってくるところがすごかった。

ずっと絵柄の古さに読むのをためらっていたけど、滅茶苦茶面白くて深い、文学的な物語でした。
ショタもリバもどんと来い、今どきのよくあるBLに飽きた人にオススメ。
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