おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~
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おじ転生~悪役令嬢の加齢なる生活~

相葉キョウコ

逆転の発想がもたらす悪役令嬢の成長物語

ネタバレ
2026年2月14日
このレビューはネタバレを含みます▼ 悪役令嬢が、現代日本のおじさんに転生する…その設定だけで思わず手にした本作。
 「あ、あの相葉キョウコ先生が…?転生モノに進出されたの…?」と普段BL沼界隈に生息している身として、戸惑いつつの再会に大歓喜。しかも1巻無料?こりゃ、読むしかないっしょ!と読みだしたら、ほんっとに相葉先生の新境地にして真骨頂の最高の作品でした…

 若くて美貌の悪役令嬢クロエが、断罪間際にもし転生できたら、と祈ったその先、まさかの51歳日本人黒江に転生して始まる物語なんです。
 普通の転生モノだと、平凡な日本人が転生してチートで無双に…な展開になり、願望を叶えていくれて痛快!って構造。
 ところが、本作ではそれを逆転させることで、それまで若さ、美貌、羨望を兼ね備えてきたクロエが、蔑みの対象とされ、お金も地位もない中年男性になることで、世界の見え方が変わり、それまでの自分の傲慢さを振り返り、彼女の本質だった高貴さや前向きな生き方が際立ってきて、気付いたらその成長を応援したくなる存在に変貌しているのです…!

 いや、ギャグ強めなんですよ。全然説教臭くない。
 でもね、相葉先生が、自分で見つけた新しい世界で、新しい物語を作り出すことにワクワクしている情熱が伝わって、読んでいるこちらも高揚感を覚えるんです。
 華麗と加齢なんていう言葉遊びに止まらず、相変わらず美麗な作画ながら、イメージ内のクロエの姿と現実のおじ姿のギャップで笑わせたり、時々カイジ風だったり劇画チックだったりする作画の遊び、クロエを取り巻くキャラの耽美系の天使(BL風)、追っかけ転生してきた美少女(百合風)などなど、先生のこれまでのキャリアを彷彿とさせつつ、それをちょっと斜め上から描いて浮かぶ面白さ…。

 そしてふと気付くと、普通の転生モノだと、ここではないどこかへ行ってしまった主人公を羨ましく思いつつ、どこか取り残された感覚を覚えるのに、この作品だと、今我々が住んでいる社会も悪くはないよ。むしろ人間にとって大切なものはここにあるのでは…?という気持ちになるのです。
 そんな風に、転生モノの構造を逆転させながら、気付けば「今ここを生きること」を肯定してくれる悪役令嬢の成長物語。
 成熟した作者だからこそ描ける新機軸。
 1巻無料中🆓よろしければ、ごらんあそばせ?なーんてネ💖
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