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今月(4月1日~4月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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長年のお付き合い2022年10月7日このままゆっくりでいいので、ずっと続けてほしいです。もう何年にも渡って読ませていただいています。時折幼い日の原風景に出会うような、懐かしさがあったり、繊細な人の情や怨嗟や畏怖の念など、昔から知っていたかのように理解出来てしまったり。摩訶不思議な妖怪や霊魂や異次元世界や幽界などが私たちの存在する現実世界と折り重なって身近に存在しているような、ワタシ的にはそれが温かく心強いことのように感じさせてくれる優しい世界です。年月を越え、時空を超えてずっと昔から紡がれてきた我々人間の素朴な営みや出会いや旅立ちは、そうした摩訶不思議なものたちの視線と懐の中で綿々と見守られ慈しまれてきた、ちっぽけで愛おしいもののように感じさせてくれます。
この作品を読むと心が落ち着きます。その理由のひとつとしては昭和な時代感があり、ペース感があり。オカルトと言えばオカルトかも知れないけれど何故か癒やされます。作者の今市子さんには健康に気をつけてもらって、これからもずっと描き続けていただきたいと思っています。
しばらく見ていない青嵐氏の出番も楽しみにしています。 -
変わらず面白かったです。2022年8月20日人物デッサンが気になる点は相変わらず。首が俯瞰気味のアングルになってる時も身体が全く俯瞰に描けてないので、時々肩に首がめり込んで見えるところが昔から目に付きます。あと、正面顔は美しいのに対して横顔はバランスが明らかにおかしい点も。この、人物デッサンが時々おかしい点だけは読み進める中で昔から気になり、改善してほしいところですが、話が面白いのに負けてついついと読んでしまいます。とにかく惹き込まれます。江戸川乱歩はよく読んだので、それをモチーフにしたアトラクションの建物に仕掛けられるからくりという設定がもう、素晴らしい。個人的に、カチューシャがハチマキアングルになって変な、はじめちゃんにベタベタの美幸ちゃんが出てこないところも気持ちよく読めて気に入っています。葉山まりんちゃんかわいいです。
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面白い!そして生きる姿勢を正されてしまう2022年6月29日霊とか祟りとか神仏の捉え方とか、そんなスピリチュアルな学びもあって、でも結局はそれも人間の弱さ強さ、心の愚かさや愛の深さといった、命繋がれて生きる人の日々の在り方が大事ってことだなぁと、開眼させられたような清々しい気分になる作品でした。怖いオバケもゾワッとする場面もいっぱい出てくるけど、読後感が本当に清々しい。
話の世界をとても美しくもリアルに表現している作画の見事さにも感心しました。老若男女のそれぞれの個性や表情や動きの描写がとても巧み。なのに描き込み過ぎやおどろおどろしさによる重さが無くて、絵が爽やかで生き生きしているので陰気な気持ちにならず、重い話もスイスイ読めます。スピリチュアルなものを信じない人にも哲学であったり人間学目線で楽しめるのではないでしょうか。お勧めです。 -
楽しいです。2022年4月7日昔うる星やつらやらんま1/2を楽しませてもらった高橋留美子先生の連載、この年になってまたワクワクしながら続きを待てるなんてなんとも幸せ。登場人物が時代を行き来して物語を展開するパターンは犬夜叉と似ているけれど、現在と大正時代と平安時代という3つの時代背景や空気を巧みに画き分けながら、それでも描き込み過ぎのない見やすさは流石と言うしかない。今までにない穏やかで物静かな主人公の人物像は、最初のうちは物足りなかったのが物語が進むに連れどんどん魅力となって見るものを惹き付けてゆきます。平安の昔に何があって、次々と現れる登場人物の思いは何なのか?早く知りたい。続きが待ち遠しいです。
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美しい、和を感じる良い作品です。2022年1月16日漫画を先に読んでて、途中でドラマを観て、どちらも引き込まれました。ドラマを完結まで観たあとも、ドラマと違いを持たせた漫画のラストに最後まで楽しむことが出来ました。登場人物のそれぞれのその後に視点を巡らせた終盤の丁寧な回収に、モヤモヤを残すこと無くスッキリ気持ちよく読み終えた後読感でした。とにかく丁寧。作者の人柄をそこかしこに感じて好感を持てました。和菓子づくりの世界が味わえて、奥の深い人間模様有り、サスペンス有り、でも品があって、地方で綿々とのれんを引き継がれる老舗商店や旅館の世界、歴史と先人の拘りを感じる和文化であったりと、本当に味わい深い素敵な作品でした。好みの問題ですが絵の特徴のひとつだけ、顔の小ささに対して大きすぎる頭、特に横顔の前後がETみたいに長すぎなところが所々で目について、そこだけはどうにも違和感があり気になりながら読んでいました。顔に対して首から下の比率が大き過ぎに感じる場面もたまにあって、絵が丁寧できれいなだけにデッサン狂いの目立ちが多少残念でした。それ以外は、本当に素晴らしい作品でした。
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いい線行ってるとは思うけど・・・2022年1月16日絵がきれいでキャラが魅力的。ストーリー設定も突飛ですが面白い。いいものを沢山持っているけれど大人目線で見ると幼いというか、言葉選びの浅さ稚拙さが目につき、読者を作品の世界に引き込み感情移入させるまでの力は弱い、まだまだ若い作家さんなのだろうと感じました。ローティーンまでなら楽しめると思いますが、良いものを吸収させたい子供に読ませるならもう少し言葉紡ぎのセンスが良質な作品にしたいところです。絵が得意で文学はそうでもない所から漫画を始めたのであろう、最近の漫画家さんに多いタイプ。絵がきれいなだけに残念。良い本を沢山読んで良い映画を沢山観て、言葉表現の鋭敏さを身に付けていただいたらどんどん力を伸ばされるのではと思います。一生懸命描いてるのは伝わるし、伸びしろは感じる作家さんです。
絵の方は、手技は丁寧で好感持てますが、髪形、顔立ち、体格、ポージングなどの人物の描き分けがまだまだ。最初に登場する男性3人とも同じ髪形で顔も変わらない。髪のトーンや眼鏡でしか区別出来ない絵では表現が幼稚過ぎです。今後に期待します。いいね
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刺激的で引き込まれます。2021年12月5日凄惨な場面が多いのでデリケートな方にはお勧めしませんが、私にはこの容赦ない描写もまた、過酷な人生を歩む主人公ハナとともにこの世の無慈悲から目を逸らさず踏み越えて進むことを試されているように思え、そのヒリヒリとした刺激もしっかり味わいつつ作品の世界に引き込まれていきました。物理的矛盾が無い安定の画力、表現は大胆で描写は繊細。むごい表現は多いもののそのリアリティをとても丁寧かつ綺麗に描いておられるので、意外に不快さは感じず、敬意さえ抱きつつ味わうことが出来ました。全ての登場人物の個性が上手く描き分けておられ、どの人物にも生々しく感じ取れるそれぞれの人間味と魅力があり、読み進む程に引き込まれ、何がなんでも顛末を見届けたい思いに駆られました。時代背景やその時代の北海道の空気を想像し感じながら物語に浸ることも心地よいです。久々に本格的劇画の力に飲み込まれた思いです。61話まで読みました。続きが待ち遠しいです。
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不思議世界に引き込まれました。2021年8月18日見たことないような不思議世界。面白くて引き込まれました。絵は白黒版もきれいですが、フルカラー版の方が真っ黒キャラの区別もつきやすく、何より背景が綺麗で素敵です。顔が見えない黒い影だけのキャラクターたちに感情移入出来るのか?はじめは取っつきにくいものを感じましたが、読み始めたらどんどん面白くなって、顔の見えないキャラクターたちの性格にも親しみを持てるようになり、そこにも面白さを感じました。実写でもアニメでも、これは映画作品になっても面白そう。実写ではセットに莫大なお金がかかりそうですが。目新しいジャンルに挑戦したい方に超オススメです。早く続きが見たい!
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予想に反して面白い!2021年8月18日絵はまだ粗削りか、若干雑さもある軽いタッチですが、描き込みすぎな漫画は見てて疲れる私には程好い抜け感で心地よく読めました。ちゃんと設定の状景が伝わるくらいの必要最小限の背景が描けていて、くどくなくて丁度いい絵です。
デブが主人公で痛々しくなく楽しめるのか?少し抵抗感のようなものもあって最初は期待しませんでした。でもこのスーパー前向きで明るい主人公の面の皮の厚さには笑わされ、元気をいっぱいもらえました。デブだからこそ可愛い、そして楽しい、唯一無二の存在感あるキャラクターです。ほんのりサスペンス要素も見え隠れして人間ドラマもチラホラ、展開のテンポも良くて一気に読み進めてしまいました。続きが待ち遠しいです。いいね
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引き込まれて目が離せない。2021年3月1日宛字や中国読みの漢字がやたらに多く、天仙という敵キャラ達の名前と顔が覚えられないまま、また意味が整理しきれないまま読み進んだけど、戦いの動きの巧みな描画表現や言葉語りの魅力にグイグイ引き込まれて止まりませんでした。いよいよクライマックスの新巻待ち。皆生き残って欲しいと祈る気持ちで続きを楽しみにしています。
それにしても、久しぶりにハマりました。
常に死と隣り合わせで五感をフル稼働していないと生き残れないような過酷な命のやり取りの世界から自分の現実生活に戻ると、なんと平和で安全な時代に守られ、甘やかされ安穏と暮らしていることか。感謝するとともに、だからこそこの物語のようにギリギリのところで闘い続ける人物たちの姿が魅力的で、少し悲しくヒリヒリする刺激にパワーをもらえて病みつきになるのかもしれません。 -
頑張ろうと思える作品2020年11月19日人に頑張れと言うのは負担になるから良くないなどと最近は言うけれど、心強くいてほしい相手に「頑張れ」ほど素直に応援する気持ちを表す言葉はない。この作品中、主人公炭治郎はくじけそうで負けそうな自分を奮い立たせる為に幾度となく自分の心を鼓舞する言葉を繰り返す。くじけそうな弱い自分もちゃんと受け止めながら、「頑張れ俺。負けるな俺」と自らを励ます。そのひたむきさ、純粋さに、見ていると次第にこちらも励まされて、歯を食い縛って限界を超えて頑張る力をもらえる気がする。癒すことが良しとされ、必死で頑張れなどと人に言ってはいけないような風潮になりつつある昨今にあって、作中読者に向かって頑張れなどとは言っていないけれど、炭治郎たちが仲間の為にただただ頑張る姿を見せつけられ続けるところに次第に感化され、自分は自分の立ち位置で頑張ろうという気持ちにさせられる。
戦闘シーンが多く凄惨なシーンも少なくないので子供や苦手な方にはお勧め出来ませんが、健気で心優しい少年の純粋でひた向きな姿に頑張るパワーを貰える美作品です。 -
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読み終えて名残惜しくて切ない!2019年12月29日「うらめしや」と「うやめしや外伝」は何年も読んで来て、多くの共感と感動を覚え、読み終えて自分が成長してきたかのような気持ちにさえなる私の聖書的作品です。最後まで読み終えることが出来るのか心配もあったので、今完読出来た満足感もありながら、長い不思議な旅を楽しんでいたのにそれが終わってしまった名残惜しさで切なくもあります。内容には摩訶不思議な霊的世界の解釈があって、私個人的に見聞きし感じてきた霊的世界の概念や生死観と通じるものが多く、漫画の物語だけで終わらない真理を感じることもあり、しみじみ出会えて良かったと言える作品となりました。最後は少し急いで終わらせたような、構想の割愛を感じたのは気のせいか。思ったより軽く終わってしまった感じがしましたが、でも内容はしっかり納得して読み終えました。うやめしやの最初の最初を読み始めた時は少し絵のタッチが好きになれなかったのですが、物語の面白さと慣れで気にならなくなりました。新刊通知設定にして続きを楽しみにする大好きな作品が終わるのは本当に寂しい。外伝の外伝や続編や懐古編などの新作を魔木子先生には是非お願いしたいです。
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共感の嵐に引き込まれます。2019年7月26日大変失礼ながら、読んでみようと思ったのは絵が雑!下手!と思ったから。生理的に不快な絵なら始めから読まないけど程よく和めて程よく下手だから、これならきっと話が面白いはずと・・・。アタリでした。最近の絵の技量高い漫画は絵に頼り過ぎで、ストーリーやキャラ表現が有りモノっぽくイマイチなのが多い。文学味が浅いと言うか。この作品はちゃんと作者さんが描きたい世界観があって、人間の生々しい心の機微がサラッと表現されてて、グダグタしち面倒くさい思考の羅列も爽やかに読まされてしまいます。ドラマ化にも納得。タイトル通り、しばし心のお暇が欲しい社会で頑張る女性達に読んでもらいたい温かい作品です。