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今月(6月1日~6月30日)
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シーモア島


投稿レビュー
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コートに神が降りて来た瞬間、永遠の名作2025年6月3日言わずと知れた永遠の名作、SLAM DUNKが電子で登場とは、有難い、有難い!
プレイを描くことでバスケの真髄を描き切った力技は超えられない金字塔でしょう。数々の名場面、名セリフがありますが、山王戦のクライマックスを描いた無言のページは、言葉を介することなく思いが、プレイの意志が伝わってゴールが達成される、将にコートに神が降りて来た瞬間。これ以上の試合を描くことが出来ないと井上先生が筆を折ったのも理解できます。
ただ、バスケの深さはここで終わりはしません。ファースト・ブレイクとセット・オフェンスの差異、ダイアグラムを読む楽しみ。ナンバー・コールのないセット・オフェンスであるトライアングルの醍醐味と、さらに、さらに追及できるもの。
とはいえ、戦術、戦略を漫画として視覚化するのは、不可能に近いとも感じます。
それでも、続編が読みたい!SLAM DUNK奨学金関連で、井上先生もNCAAまでの内情に対する知識は持たれていると思います。たとえば、流川が留学して身長・体重の不足からボコボコにされ、PGへのポジション・チェンジを余儀なくされ、ドライブ・インに関してもスピードやディレクションの多彩な変化を加えて、苦労しながらアイヴァーソンやトニー・パーカーのようなスタイルを確立していく話なら、プレイのみを語っても十分に面白いかと。
2nd SLAM DUNKを切に希望します。まずは、様々な事情で散逸してしまった全巻を電子を利用して揃えて待ちますかと... -
人体デッサンは理想の身体像があってこそ2025年5月21日作者がバレエ経験者ということで、期待を持って読み始めました。主人公が子供なので、コマ内のポジションやポーズが曖昧なのは仕方がないと思います。ですが、これを読んでバレエを始める子供もいるかと思うと、カバーや扉絵、補足のページなどの模範演技ではやはり踊り手としてあるべき身体のイメージはキチンと伝えて欲しいです。頭までピンと引き上げられた上体、引き締められた体幹と開かれた胸部と背中、そのエクステンションが肘まで通ってラインを作る腕。腰から始まったアンデオールが拡大しながら踵や足先に伝わり、引き寄せられた両膝。人間の身体性を考えると最も健康とは言い難いけれども、バレエとしての美しさを体現する究極のフォルムを描いて欲しいのです。それが残酷だと思う人は、バレエは遊びで留めておくべきということを教えてくれる絵柄が重要だと思います。
そして、13歳の少女はまだ子供です。この年齢の人に大人並みのヴァリエーションを踊らせることは、長い目で見て決して良いことではありません。そういう日本のバレエ界の歪みもちゃんと描いて欲しいです。いいね
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ブラッドベリとポーの一族2023年4月17日ブラッドベリならではの哀切でリリックな短編を、感性がピタリと合う萩尾氏が漫画化したと聞いて、発売当時すぐ買いました。空気感、可視化された孤独。感動しました。
どれくらい感性ピッタリかというと、この作品集にはなく萩尾氏が手掛けたこともない長編『何かが道をやって来る』の主人公たち。ジム・ナイトシェイドとウィル・ハロウェイがエドガーとアランみたいなんですね。どちらが真似したとかいう話ではなく、少年小説のダブル主人公の一つのプロトタイプなんです。同型のプロトタイプをえらぶくらい、それくらい感性が近いのです。
こんな風に、読みながらいろいろな思いがこみ上げてくる短編集です。 -
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