ふわりとした優しいBLでした。
恋愛体質なバイオリニストの律と、写譜を生業とするきれい好き(いやこれ潔癖笑)な清春。お互いに恋愛にまつわる過去のあれこれを払拭し、恋人になるまでが描かれています。
まず、写譜という珍しい職業に興味をひかれます。といってもお仕事BLではないので内容には触れられていないのですが、とてもいいスパイスになっていました。
それから表現がとても詩的で文学的で、そして音楽的。流れるメロディに誰かが歌っているような、優しい時間を過ごすことができました。音楽という次元の違うテーマを紙面に落とし込んでいるのはすごいです。
清春の楽園に苗を持ってきた律。樹木やつぼみという表現が清春の雰囲気にピッタリでした。二人で水をあげてたくさんの花を咲かせてほしいです。
いつかは清春があっちに行くのかな?二人ともそれぞれに芯を持っているので依存し合うような関係にはならなそうですが、ときには感情に任せてしまうところも見てみたいな。