マッシュ先生の描くオメガバースはどんな世界なんだろう… と少し前の新刊2冊同時発売でポチリ。直前に読んだ別のオメガバ作品がラブ&ピースの世界だったので、本作を読み「あぁ オメガバってこうだったな…」と現実に引き戻された感。舞台は警視庁マル暴対策課。Ωである事を隠しαとして生きるキャリア組の愛川×元アジア系マフィアの蓮。厄介な背景を持つ2人がバディを組んでのお話。生まれながらに足枷をはめられた人生を反骨精神で生き抜いて来た者同士。だからこそお互いの痛みも分かるし理解し合える。受け入れられ求められる喜びを知り、アンタのためなら… お前と一緒に… との想いを強くするのです。蓮の出自を知ると、努力と強い信念でα超えのポテンシャルを身に付け 不器用ながらも真っ直ぐに生きる愛川の背中が眩しく映り、それが言葉の端々に出ていたんだろうな。愛川に父親の姿を重ねて見ていたのかも知れない… なんて思うのです。柵を断ち切って愛川に見合うαになって帰って来ようとする蓮、それを受け止める愛川、それぞれの熱い想いにグッとくる。番になるシーンが美しくて印象的でした。ただ 出所の場面が唐突で1ページ挟んで月日の流れを描いて欲しかったな、蓮の髪が短い方が良かったな、と思いました。設定からして本格的な刑事モノではないですが、オメガバース・バディ・人物背景等をドラマチックに織り交ぜたエンタメ作品として受け入れたら十分に楽しめると思います😊 キャラとしては蓮一択!堅物 愛川に遠慮なく土足でグイグイ踏み込んでいつもアンタ呼ばわりなのに、ここぞと言う場面での「愛川さん…」はズルイよぉ!黒髪も良き。対して愛川はいまいちハマれず… ベタッとしたオールバックにチョロ毛前髪がどうも受け付けなくて。表紙の愛川は素敵なんですが、本編とちょっと違うんですよね。前髪を立ち上げた毛並みのあるオールバックなら色っぽくて良かったな。 あと初めてを奪われるシーンは己の身体と蓮に抗う姿を見せて欲しかった。何とか理性を保とうとするけれど、どう仕様もなく身体が求めてしまい… の方が(偽)α設定でプライドの高い愛川のキャラが活きたと思いますし、萌えます😍 しかしP.90は素晴らしかったです。「喰らわせるΩ」の妖艶さ、「貪るα」の荒々しさはBL本能に刺さるッ!オメガバースの真髄に触れる芸術的1ページです✨ 本編+描き下ろし3P+電子限定描き下ろし13P→総207P、修正は白抜き。