ストーリーとしては派手さはなく、特に彰大のことが宗平の中でサラリと消化され過ぎかな~という惜しさは少しあります。
でも、主人公たちのキャラクターが好きなんですよね。一人一人も多面性がしっかりあって魅力的だし、二人一緒になるとそのケミストリーが何とも言えず好き。
レビューを読むとルカスを絶賛する声が大多数だけど、私は圧倒的に宗平派!
カメラを手に佇んでいるだけで、色気と透明感がすごい。感情表現が「下手」ではあるけれど、気を許した相手には案外素直で、ツンとした態度のくせに気持ちが表情に漏れちゃってるのがものすごく可愛い。それでいて、写真家としては唯一無二の世界観をしっかり持っているのがカッコいい。更には、自分の性欲には正直という凄いギャップ……。
そして、そんな宗平を見つめるルカスの眼差しがたまらない。宗平のこんな魅力を知ってしまったら、そりゃハマっていくよね。隠してる内面をもっと引き出したくなるよね。宗平の心を上手に解きほぐしていくスパダリルカスもいいけれど、彰大への嫉妬をだんだん剥き出しにしていく、青臭いルカスが好きです。
ルカスのママも素敵。「その半分でもいい」という言葉に、器の大きさを感じました。華やかな世界で、この方も苦労したんだろうなぁとか思ったり。
そして彰大も案外嫌いじゃないです。いいヤツ具合とズルいヤツ具合のバランスが絶妙で、スピンオフが見たかったな。