表題作と短編という内容でした。先生の作品は『僕のおまわりさん』が好きで、特に作家さん買いをするつもりはなかったのですが、ここ最近セール作品が多くて、高評価のものも多いので、釣られてこちらも読んでみました。
作品を吟味する時に見つけた、先生のとある作品のレビューで「冴羽◯みを感じる」という一文があり…それからもう、どの作品を見ても読んでも「冴◯」にしか見えなくて困りました(笑)が、面白かったです。
今回は、設定で言うと闇金とかヤク◯とか、「裏家業」的なところが正に冴◯っぽくて、どうしても意識してしまいました。でも、読まずにはいられない謎な面白さがあるんですよね。何らかの中毒性がある気がします。
不穏な設定な割に、中身はハートフル・ラブコメで、見せかけの張りぼてハードボイルドという感じで面白かったです。借金地獄のはずが、家族団欒でほのぼのしてみたり、ところ構わずイチャイチャしてみたりで、裏も闇もなく明るく楽しいお話でした。
短編のバナナのお話も、やや現実離れした感がありましたが短い中にも「結果よりプロセスが大事」というような気づきがあって、私は好きでした。