先生の作品は、『ビッ◯なスズキくん』を読んでとてつもなく感動しました。…が、なかなか心理的負荷が強かったので他作品は何となく「同傾向だと感動はしても辛いかも」と敬遠しがちでした。
でも読んでみたら全然重くなく面白かったです。先生の作品は、何とも言えない雰囲気というか世界がありますよね。凄くシュールなんだけど、その世界に染まってしまうと可笑しなことも当たり前に感じて、何だかんだ納得させてしまう力がある気がします。
笑わせようとギャグやコメディに全振りしているわけではないのに、真面目にちょっとズレた事を言うのが面白さの根源だと思います。あと、解説なしのやりっ放しの小ネタの数々も楽しかったです。例えば…小林くんが突然(しかもなぜか途中の17から)素数を数え始めた時は「何が始まった?」とワクワクッとしたのに、何のフォローもなしとか。突然「ブルータスお前もか」と始まったり、北斗七星みたいにつけられたキスマークとか。意味があってもなくても、入れ込むタイミングや小ネタのチョイスが絶妙で笑えました。