優秀なαのみが通う学園の2トップが、強制発情をきっかけに恋人になるお話。
家柄のせいでΩなのにαとして育てられ生きてきた上代。瀬名のフェロモンに誘発され、ヒートになったことでΩであると知り、そこから本能や性に抗いながら苦悩する様子が描かれています。互いにライバルとして意識し合っていた瀬名と上代は、αとΩとしてではなく、互いの個に惹かれ合っていることを証明するかのように、本能での行為に抗い、理性で自分の気持ちをコントロールしようとします。αとΩという性の本能ではなく、自分の気持ちで互いを選択したんだという強い思いが、精神的α同士の愛のカタチなんだと感じました。だからこそ、「αでもお前に惚れた」という瀬名のセリフは、上代の悩みの正確な答えになったし、瀬名の真っ直ぐな想いの深さを表していたと思います。一筋縄ではいかない相手だし、本能にも運命にも負けない強さを持っていたから惹かれ合ったのが伝わってきました。αとΩだけど、オメガバースの性に反抗したような二人の愛は、普通より強い深い愛を感じさせるものだったと思います。