かわいさ溢れる愛されアラフォーと、無表情溺愛アラサー。独特の空気感、絵柄。溢れ出る日常と美味しそうな食事たち。何気ない会話の中の大切な言葉。小さな仕草や表情に隠れた愛する心。一つ一つの台詞が、コマ割りが、描かれた背景や小物が、じんわりと胸に拡がる。小さな振動がやがて大きく心を揺さぶる。人生に疲れた大人にこそ読んでほしい。不幸じゃないけど幸せでもない。不満はないけど満足もしてない。日々歳を取り、何も変わらないことに安心しながらも漠然とした不安を覚える。そんな日常を一人の存在が、一つの恋が鮮やかに変えてくれる。恋に溺れ、自分を見失い、恐怖を覚えながらも、傍にいる存在を愛しいと想い、手放せなくなる。一言では表せない素晴らしい感情を与えてくれます。読んで良かったと心から思える作品です。