中学生時代の因縁、運活とやらなどありますが、正直それらはあまり重要ではない。大変カジュアルなオメガバース設定で、男女の別なくカップルになり得て差別的な面が極力抑えられているのが個人的に良バランスでした。露骨な差別とか性暴力描写がなくて(ヒート暴走もまあ大人しめ)、男性同士でもバース性が違えばお見合いするとか(当て馬小野田さんが大変いい奴)、合コンでオメガだと残念と言われるという塩梅が好みです。社会全体がこうなる経緯はともかく、現代日本に寄せるならこのくらいでしょう。獅子倉が薬を切らしがちなのもまあ平和ってことかと。お話は、素直な獅子倉とプライドを拗らせた虎谷、お互いの気持ちが噛み合うまでって感じです。両想いなのが分かっても甘くなれない告白シーンが好き。付き合ってからがもう少し描いてあると嬉しかったかなあ、と思ってたら続編があるんですね。単行本派なので、楽しみに待ちます。>2巻も購入。虎谷の家族関係のあれこれを乗り越え、獅子倉が夢見た結婚に漕ぎ着いたのが感慨深いです。