ちょっと絵柄に苦手意識があって有名なリバースにも手が伸びずにいたんですが、別の好きなBL作家さんがご自身のTwitterでこちらの作品を絶賛されていたので試しに購入しました。もっと早く読んでおけば良かった〜!優しく進むお話に心をがっつり掴まれました。
さて本作品は、孤高のバイオリニスト・十嘉×難聴のデイトレーダー・五十鈴のお話で、表題作のみ4話+描き下ろしで合計193ページ。普通に暮らしていれば交わらないはずの二人が偶然出会い、交流を深めていくストーリーです。セリフや文章で説明する箇所が少なくて、絵だけで表現されている部分が多く、無駄な部分が削ぎ落とされて洗練された印象でした。また二人の間に流れる静かな時間が、絵だけで表現されていて、とても引き込まれました。全く異なる境遇の二人が、お互いをもっと知りたい、分かりたいと思った時、二人の関係が少し変わっていくのかな。雨の日に五十鈴に起こった出来事は想像するととても辛かったんですが、早く十嘉に寄りかかれるようになって欲しい。確かに絵は好みど真ん中ではないんですが、隅々までとても丁寧に描かれていて、ストーリーの運びもとても丁寧で、大満足で読了です。ちなみに1巻では、十嘉からの一方的なキスのみ。次巻の発売がとても楽しみです。