短編集って、作品ごとに影響しあって読後の印象がひとつになっていく感じが好きなのですが、今回は自分の手には負えない感が強かったです。所詮他人のことなんて理解出来なくて、だからこそ色々な作品が面白いのだけれど、『クラスメイト』の受け止め方は自分の正解が分からない。あまりにも悲惨で屈辱的で、衝撃が過ぎる上に救いもない。読まなければ良かったという不愉快な気持ちも良く分かる。けれどフィクションで少数派の生き方や苦悩を描く意味は考えたいし、読んで感じた何かは昇華したい。ひとつの作品として抗えない魅力を感じているのもまた事実。取り敢えず今は、四つの作品を通して圧倒的な衝撃を受け、ねむい先生の世界に改めてコンニチワしたような気分です。