良い意味でハチャメチャな感じが楽しかったです。王子と貧しい地方の商人という身分差や、正室・側室とか、比翼と呼ばれる特別ポジションだったり、年の差だったりと、不憫・健気・耐え忍ぶ…的な要素が割と分かりやすく散らばっているのに、商魂逞しい蘇芳のキャラのおかげで終始明るいノリでした。
ストーリーにはあまり関係ないけど、個人的に側室の姫とのやり取りが面白くて、何だかコントを見ているような楽しさがありました。そこには、女の戦いにありがちな嫌味の応酬や火花バチバチの心理戦が確かにあるんですけど、蘇芳を相手にすると独特の陰湿さが抜けて単なる毒舌という感じになるんですよね。
ラストの驚きの展開に「比翼様ですから、そういうこともあるでしょう」という軽いノリで有耶無耶にされても、笑って許せてしまうくらいには面白かったです。真面目で一途な王子イハと商魂逞しく未来を切り開く蘇芳の、静と動のように反対の二人のやり取りも最高でした。