一回読んで、人は生まれ落ちた場所によって、こんなにも幸、不幸の差が生じるんだと、今更ながら思い、こんなの嫌だなぁって。二回目に読み返したら何か分からないけれど、知らず知らずのうちに涙が出てきて。その涙は悲しいものではなく、ようやく辿り着いたのが幸せで良かったなぁーと言う思いの涙で。
ん、もう。どうしてARUKU先生の作品て泣けてくるんだろう。けど、いっつも最後は哀しくない幸せ気分の涙を流しながら、エヘヘッって笑えてしまうのですよねぇ。
私と同じ生まれ月日なのに、別作品の柾君といい、霞のようなホタル君といい、苦労して苦労して手に入れた幸せの喜びは、私の当たり前の幸せと比べたら、豊かで重みがあって、数倍も尊いと思い知らされた作品でした。先生のどの作品を読んでも、毎回こころをバリバリ剥奪されてしまいます。さらにどの作品でも、登場するお相手の殿方たちは印象鮮明で観察力満点。最後は誤魔化しなき美しい鐘の音を響かせてのハッピーエンド。
いゃだぁ、又、涙が制御不可能に溢れてきちゃった、エヘヘッ。