全195ページ。短編集。最初の短編「月影」44ページ。44ページのみでも損したと思わないくらいの傑作だった…。この短さで、究極まで省いたセリフと、起承転結。どうしようもない切なさが胸に迫る。。真ん中の短編3つは正直目が滑って読めていません…でも損しない! ラストは「月影」の続きの「逃げ水」。こちらは40ページもない。知った愛のかたちを綴る短編だけど、清美に生かされ、先生や伊藤さんに生かされ、生かされた命を使い、命を救う。勉強してきたことが生きる理由になる。生まれたとき、愛を持っていなかった彼が、自分で生きる理由を増やせるようになる。「月影」「逃げ水」ともにラストで泣きましたが、泣いた感情は違うもので、余韻が残る短編集でした。