歴史の教科書や歴史小説は苦手…という方も楽しく読めるのが「歴史漫画」の魅力!漫画なら、登場人物がイキイキと描写され、『桜田門外の変』『本能寺の変』などの事件もスンナリ頭に入ってきます。史実を忠実にたどったセミドキュメンタリー風の作品から、大胆な解釈を加えたワクワクするエンターテイメント作品まで、歴史に興味を持つきっかけになる歴史漫画の傑作65作品を紹介します。
目次
日本史の中で一番ドラマチックかつ過酷だったのが戦国時代。歴史に偉大な足跡を残した武将も、歴史の影に埋もれた名もなき人も誰もが命がけで戦っていました。戦乱の世でキャラクターが躍動する歴史漫画15作品を紹介します。
【あらすじ】 自由奔放な性格で学校の勉強も大嫌いな高校生・サブローは、学校帰りに塀から落ち、戦国時代にタイムスリップ。偶然、通りかかった尾張織田家の嫡男・信長と瓜二つだったことから、病弱な信長の身代わりを頼まれた。サブローは学問や武術の稽古そっちのけで、子どもたちと野山を駆け巡った。周囲は別人のように活動的になった信長を「うつけ」と噂するように。病弱な兄にかわって次期当主を有力視されていた信長の弟・信行は、兄の変貌ぶりに危機感を抱き、信長暗殺の矢を次々放っていくが……。
【作品情報】 作者は本作が連載デビュー作だった石井あゆみ。2009年から小学館「ゲッサン」に連載され、2022年2月時点で22巻まで配信中です。2014年にはテレビアニメ化。小栗旬主演でテレビドラマ化されたあと、2016年に劇場版が公開されています。
【おすすめするポイント】 現代の若者が戦国時代にタイムスリップしても、戦でいつ命を落としてしまうかしれない過酷な状況の中では、とてもサバイバルできそうにありません。主人公・サブローが戦国時代の人たちよりも楽観的で活動的な所がポイント。自由さでどんな危機が訪れても楽々と乗り越えていきます。サブローに身代わりを頼んだ信長は意外な役回りで再登場。サブローと信長によって歴史はどう変わっていくのか?あの「本能寺の変」はどうなるのか?原作はいよいよ佳境に入っています。今からでも遅くないので、後追いで一気読みしてください。
【あらすじ】 「生涯女性を側に置かなかった戦国武将上杉謙信は実は女だった」という説で展開する戦国ロマン。有能な戦国武将だった謙信の父は、戦嫌いで病弱な長男・晴景は大将の器でないと見放し、妻が腹の中に毘沙門天が宿ったと言ったために、次男の誕生に期待していた。しかし、生まれたのは女性。父は事実を認められず、娘に強引に虎千代と名付け、男として育てた。女でもない、かといって男にもなりきれない虎千代は、修行に入った林泉寺の僧宗謙から女子のままで強くなり、越後を平和にせよと教えられた。
【作品情報】 作者は『かくかくしかじか』『私のことを憶えていますか』の東村アキコ。2015年に小学館「ヒバナ」で連載され、2018年から「ビッグコミックスピリッツ」に移籍、2020年に全10巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 『東京タラレバ娘』『海月姫』など、現代女性が共感する漫画を描く東村アキコが戦国武将を描いた野心作。生涯妻を娶らなかった戦国武将・上杉謙信は女性だったという説に基づいて展開します。戦国武将になった女性の物語。難しい歴史考証の部分には作者・東村アキコが登場し、わかりやすく解説します。そのため、歴史に疎い方でも、置いてけぼりにならずに最後まで物語を楽しむことができます。
【あらすじ】 現代の料理人・ケン。彼が目を覚ますとそこは戦国時代だった。京で評判の料理の噂を聞きつけた信長は、強引にケンを自分の料理人にするが……⁉戦と料理が織りなす前代未聞の戦国グルメ絵巻!コラム&レシピ「戦国めし」も必見!
【作品情報】 原作は『大使閣下の料理人』『ヘルズキッチン』『グ・ラ・メ!~大宰相の料理人~』の西村ミツル。漫画は『バロンドリロンド』の梶川卓郎。芳文社「週刊漫画TIMES」で2011年から連載され、2024年に全37巻で完結しています。2013年には玉森裕太主演でテレビドラマ化され、2シリーズにわたって放送されました。
【おすすめするポイント】 原作・原案は西村ミツル、漫画は梶川卓郎。2013年にテレビ朝日にてドラマ化され話題でしたね。主人公のケン。平成の時代から1568年の戦国時代、場所は京都にタイムスリップした料理人。助けられた時は記憶を失っていましたが、うなぎ(宇治丸)を見事な腕前でさばく姿に目を奪われます。ケンを助けたのは刀鍛冶の夏。金曜ナイトドラマ枠で放送されていた「信長のシェフ」。ケン役に玉森裕太、夏役に志田未来、ほかのキャストもかなり豪華ですね。シーズン2は深夜枠からゴールデン枠に変わったほど評判が良かったのですね。益々原作を読みたくなります。
【あらすじ】 権力者たちが平和の大義の下に、最後の戦乱へと突き進んでいった時代!!修羅に生きる殺戮集団として、純粋培養された少女たちがいた!!
【作品情報】 作者は『おーい!竜馬』『がんばれ元気』『おれは直角』の小山ゆう。1994年小学館「ビッグコミックスペリオール」に連載され、2008年に全24巻に完結しています。幕末に同じあずみという名前の主人公の『AZUMI』は2009年に連載され、2014年に全18巻で完結しています。2003年上戸彩主演で実写映画化され、2005年には続編が上映されています。
【おすすめするポイント】 江戸時代初期のお話。あずみを含む10人の子どもたちはある山奥で武術の修行を積んでました。しかし、その修行は立派な刺客となるため。最後の試練は何と組んだ者同士殺し合うこと。そこであずみは仲間のなちと戦うことに……。最初はただ命令をこなしていくあずみでしたが、仕事をこなしていくにつれ自分の生き方に悩むようになります。あずみがどう自分と向き合っていくのかに注目です。2003年と2005年にあずみ(主演:上戸彩)、なち(小栗旬)で映画化されました。黒木メイサ主演で舞台化もされています。作者は『お~い!竜馬』や『雄飛』の小山ゆう。
【あらすじ】 天正10年、京・本能寺。宿泊中の織田信長を家臣の明智光秀が襲撃した。 世に云う「本能寺の変」である。忠臣の裏切りに遭い、天下統一を目の前にして非業の死を遂げた信長。 しかし気づくと、彼は「本能寺の変」より7年前に戻っていた! しかもそこには、裏切り者の光秀がいて……。
【作品情報】 原作は『こいまん』『オキザリスの旗長宗我部元親伝』の井出圭亮。漫画は本作が連載デビュー作となる藤本ケンシ。2020年講談社『週刊ヤングマガジン』に連載され2024年に全15巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 何度やり直しても気が付けば燃え盛る本能寺の中に……。漫画・藤本ケンシ先生、原作・井出圭亮先生の作品です。天正10年「本能寺の変」。明智光秀の謀反により、魔王と呼ばれた戦国武将・織田信長は非業の死を遂げた……のはずでしたが、死んだはずの信長の前に謎のクマが出現!クマからの「やりなおしさせてやる」との言葉と同時に、7年前にタイムスリップ!セカンドチャンスをもらって、もう一度家臣と向き合うのですが、結局本能寺は燃えます……。燃えるたびに、クマによって何度も時を遡りやり直すのですが、結局家臣から謀反を起こされてしまう結果に……。信長をブラック上司のように描き、ノリが良く読みやすく、賑やかで楽しい作品です。物事を改善したいときは原因をよく考えなければ、と考えさせられます。信長は本能寺の変を免れることができるのか?
【あらすじ】 速川唯は、遅刻・忘れ物・居眠りの常習犯で恋愛にもオシャレにも関心がないぐうたら女子高生。何の目標もなくなんとなく過ごしていたある日、弟の尊が作ったタイムマシンでうっかり戦国の世へ。そして人類史上初の足軽女子高生が誕生した――!
【作品情報】 作者は『高台家の人々』『ごくせん』『デカワンコ』の森本梢子。集英社「CoCohana」マーガレットコミックスに2011年から連載され2021年に全16巻で完結しています。2017年には黒島結菜主演でテレビドラマ化されました。2023年からヒロインの姪が主人公の続編『たまのこしいれ~アシガールEDO』が連載され、2024年6月時点で2巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 主人公の速川唯は遅刻、忘れ物、居眠りの常習犯で、恋愛にもオシャレにも関心がないぐうたら女子高生で、なんの目標もなくなんとなく過ごしていましたが、弟の尊が作ったタイムマシンをうっかり起動させてしまい、戦国の世へ行ってしまいます。戦国時代に行ってしまった唯は最初は訳もわからずに戸惑っているものの、唯之助として自慢の足の速さを生かして足軽として戦争に参加します。唯は戦国時代でどうなってしまうのでしょうか?現代に戻ることはできるのでしょうか?作者の代表作には、『高台家の人々』『デカワンコ』などがあります。
【あらすじ】 「小説家になろう」発、 「豆知識」ふんだん系新感覚時代小説 待望のコミカライズ! 農業高校に通う歴史好き女子高生、 綾小路静子はある日の学校の帰り道、 突如戦国時代へとタイムスリップしてしまう。 目の前に現われたのは――あの“織田信長”!? 信長の兵に捕らえられ、咄嗟に「農業で才を示す」 と約束してしまった静子は――!?
【作品情報】 原作は夾竹桃が2016年から「小説家になろう」に連載したWeb小説で、アース・スターエンターテイメントから書籍化され、2024年3月時点で17巻が配信中です。コミカライズは『ヒヒイロカネ-十兵衛紅蓮剣-』の沢田一。2017年から「コミックアース・スター」に連載され、2024年8月時点で16巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 夾竹桃先生・平沢下戸先生原作、沢田一先生漫画の、戦国時代で女子高生が繰り広げる農業漫画!「小説家になろう」発のコミカライズ作品です!農業高校に通う綾小路静子は歴史好きの女子高生。ある日の学校の帰り道、突然戦国時代へとタイムスリップ!しかも、あの織田信長に捕えられ、あわやのピンチに。「私はお役に立てます!農業を学んでいました!」という静子の言葉に信長は興味を示します。突然のタイムスリップ。しかも血なまぐさい戦国時代。そんななか、歴史好き&農業の知識を活かし、前に進んでいく静子の姿が格好よく素敵で、大変面白い作品です。農業への情熱、静子と村人との関係、織田信長とのやり取りも素晴らしいです。この先どうなっていくのか続きがとても気になります。
【あらすじ】 1333年、鎌倉――。幕府の後継者として生きるはずだった少年・北条時行は突然の謀反で故郷も家族もすべて失う。しかし時行は、生き延びることに関しては誰よりも秀でていた。信濃国の神官・諏訪頼重に誘われ、少年は逃げて英雄になる道を歩み始めた!
【作品情報】 作者は『暗殺教室』『魔人探偵脳噛ネウロ』の松井優征。2021年から集英社「週刊少年ジャンプ」に連載され、2024年9月時点で17巻が配信中です。2024年テレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 松井優征先生の作品。「逃げ若」の略称で親しまれる南北朝時代を舞台とした歴史スぺクタルです。1333年鎌倉。幕府の後継者のはずだった少年・北条時行は足利尊氏の突然の謀反ですべてを失い、自らも追われる身に。しかし時行は、逃げることは誰よりも得意な少年でした。信濃国の神官・諏訪頼重の手を借り、やがて時代に嵐を巻き起こす英雄に成長していきます。武将が主人公の特徴といえば、武芸または知略が王道ですが、本作の主人公の特技は「逃げる」こと。しかし、「逃げる」=「生存能力が優れている」ということで、実は大変貴重な能力なのです。血なまぐさい時代、残酷な場面もありますが、かわいく綺麗な絵で大変読みやすく、あっという間に読めてしまいます。北条時行という珍しい主人公の物語が新鮮で、大変面白いです。逃げて逃げて成長していく時行の成長が楽しみで、続きが気になります。
【あらすじ】 わずか2歳で当主に就任……。 1550年。足利将軍家が三好家に追放され、室町幕府の崩壊が始まった歴史的な年。 近江にある小領地・朽木から、朽木基綱・幼名「竹若丸」の挑戦が始まる! 史実に埋もれた稀代の軍略家が日本史を塗り替える! 信長、秀吉、家康の三英傑を救った唯一人の戦国武将・朽木基綱の生涯を、大胆に描く大河ドラマ! 乱世を駆け抜ける戦国サバイバル、コミカライズ開幕!!
【作品情報】 原作はイスラフィールが2016年から「小説家になろう」に連載したWeb小説で、2017年に「TOブックスラノベ」で書籍化され、2024年3月時点で16巻が配信中です。コミカライズは『風よ、万里を翔けよ』『愛しの焔~ゆめまぼろしのごとく』『花もまた、きみのため。』のもとむらえり。「コロナEX」に2022年から連載され、2024年7月時点で11巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 「小説家になろう」発・大人気戦国サバイバルのコミカライズです!主人公・竹若丸(のちの戦国武将・朽木基綱)はわずか2歳で、近江にある小領地・朽木の領主となります。実は彼は50代サラリーマンが戦国時代に転生した姿。前世の経験を活かし、幼児の見た目らしからぬ知恵で国を豊かにし、戦国武将とも渡り合います。信長、秀吉、家康を救うこととなる戦国武将・朽木基綱の姿を幼少期から描いた作品です。あまり有名ではない武将・朽木基綱のお話ですが、大変読みやすく、歴史的な説明もセリフやモノローグで、スイスイ入ってきます。国を発展させるためのアイデアや、主人公を取り巻く人々もとても魅力的です。竹若丸の成長に従って、この先の展開もますます面白くなりそうで、時間を忘れて読み進めてしまいそうです。漫画・もとむらえり先生、原作・イスラーフィール先生、キャラクター原案・碧風羽先生です!
【あらすじ】 「傾奇者(かぶきもの)」――。「傾(かぶ)く」とは異風の姿形を好み、異様な振る舞いや突飛な行動を愛することを指す……。 時は戦国時代末期、ここに天下一の傾奇者がいた。その名は前田慶次!! 大軍に急襲された末森城を救うため、単身出陣した慶次だが⁉
【作品情報】 原作は『影武者徳川家康』『捨て童子・松平忠輝』の時代小説家隆慶一郎著『人夢庵風流記』。コミカライズは『北斗の拳』の原哲夫。脚本は麻生未央。1990年より集英社「週刊少年ジャンプ」に連載され、1993年に全18巻で完結しています。スピンオフ作品『前田慶次かぶき旅』『義風堂々直江兼続-前田慶次月語り-』『義風堂々直江兼続-前田慶次酒語り-』『義風堂々直江兼続-前田慶次花語り-』も配信中です。
【おすすめするポイント】 一言で言うと「痛快」!世は1582年の戦国時代、天下一の傾奇者と言われた男「前田慶次(前田利家の甥)」の生き様を描いた物語。身長は197cmの大巨漢、愛馬は名馬・松風。己の道をどこまでも貫き通す慶次の生き方に共感がとまらない。純粋にすごくかっこいい……男性目線でも、女性目線でも楽しめる一作でしょう。著者は原哲夫。そう!北斗の拳の作者です!1989年から集英社「週刊少年ジャンプ」に掲載され1993年に完結。話の中に出てくる武器の細かい描写も魅力の一つかも。漢(おとこ)を感じたい人はぜひ読んでみて!
【あらすじ】 群雄割拠、下剋上の戦国時代。立身出世を目指しながら、茶の湯と物欲に魂を奪われた織田信長(おだのぶなが)の家臣・古田左介(ふるたさすけ)。天才・信長から壮大な世界性を、茶聖・千宗易(せんのそうえき=利休)から深遠な精神性を学び、「へうげもの」への道をひた走る。
【作品情報】 作者は『ジャイアント』『望郷太郎』の山田芳裕。2005年より講談社「モーニング」に連載され、2017年全25巻で完結しています。2011年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 山田芳裕先生の描く歴史漫画です。NHKでアニメ化された人気作♪独特のタッチの濃い絵柄で物語が進んでいきます。戦国時代、お茶に夢中になっている織田信長の家臣、古田左介が主人公です。あまり知られていない戦国時代の茶道について知ることができます。荒れた世界でも発展していく文化に感動しました。
【あらすじ】 戦国大名の先駆け、伊勢新九郎の物語! 織田信長、豊臣秀吉、徳川家康…… かの有名な武将たちが活躍する時代の少し前、 戦乱の世のはじまりを生き抜き、切り開いた男がいた――― その名を伊勢新九郎。 彼はいかにして戦国大名となったのか。 彼はそもそも何者だったのか。 知られざる伊勢新九郎の生涯を、まったく新しい解釈で描く意欲作! 「戦国大名のはしり」とも言われる武将を描く。
【作品情報】 作者は『機動警察パトレイバー』『じゃじゃ馬グルーミン★UP』『鉄腕バーディー』のゆうきまさみ。2018年から小学館「月刊スピリッツ」に連載され、2020年から「週刊スピリッツ」に移籍。2024年8月時点で17巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 下克上の嵐吹き荒れる戦国時代を舞台に伊勢新九郎が成り上がっていく様をゆうきまさみ先生が描いた作品です。時には裏切り、時には義理人情。現代とは価値観のまったく異なる世界を通して読者に人間とは何かを問う本格歴史マンガ作品です。
【あらすじ】 1600年、天下分け目の関ケ原……。敵陣突破の撤退戦「島津の退き口」「捨てがまり」で敵将の首を狙うは島津豊久!!生死の狭間で開いた異世界への扉……。現在ではない何時か、現実ではない何処かへ、戦国最強のサムライは、新たな戦世界へ招かれる!!異才・平野耕太が描く新世界が今、拡がる……。
【作品情報】 作者は『HELLSING』の平野耕太。少年画報社「ヤングキングアワーズ」にて2009年から連載され、2023年8月時点で7巻まで配信中です。2016年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 国も時代もバラバラな人物が異世界でバトル!まず設定で引きこまれました!登場人物はキャラが立ってるし、なんといっても戦闘シーンのカッコよさ!文句なしにハマる!久々に、血沸き肉躍る作品に出会いました。ちょーっと癖はあるけど、病みつきになります。つ、続きが気になりすぎる……!!
【あらすじ】 戦国時代―――― 応仁の乱に始まった乱世により、 足利将軍家の権力は完全に衰退。 全国各地の有力武将が次々に 天下に名乗りをあげた、 群雄割拠のこの時代――― 破竹の勢いで進撃を続ける織田信長軍に単身挑み、 震え上がらせた女がいたことを、 あなたは知っていただろうか―――!? 史実を基にした、ド迫力の合戦!!また合戦!! 美しき姫武者!!筋骨隆々にして美形の豪傑たち!! 最強の戦国エンタテイメント・誕生!!
【作品情報】 原作は『のぼうの城』『忍びの国』の和田竜の時代小説。漫画は『野湯ガール』『マガツクニ風土記』『バクチグイ』の吉田史朗。2015年から小学館「ビッグコミックスピリッツ」にて連載され、2019年に全13巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 和田竜先生の歴史小説を吉田史朗先生がコミカライズ!姫と呼ばれる主人公は村上武吉の娘、村上景。迫力のある絵柄で歴史が進んでいきます!戦国時代を生き延びる景姫が、たくましい女性でかっこよすぎました!読んでいると生きる力がみなぎってくるような歴史漫画です!
【あらすじ】 長篠の戦いから4年、黄昏ゆく武田帝国と勃興する織田軍団の血戦のはざまで、数奇な運命を生きる少女の名はレイリ。巨匠渾身の原作を新感覚の鬼才が作品化!衝撃の本格戦国時代劇、開幕!!
【作品情報】 原作は『寄生獣』『ヒストリエ』『七夕の国』の岩明均。漫画は『イヌジニン―犬神人―』『エバタのロック』『秋津』の室井大資。2015年から秋田書店「別冊少年チャンピオン」に連載され、2018年に全6巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 舞台は天正7年。丹波に仕える者たちは稽古で賭け事をしていました。いつも勝ち残るレイリは女の子。しかしレイリは戦に出て、殺して殺して、死にたいと言います。レイリの奇妙さはどこからきているのでしょうか。そしてレイリの運命は。岩明均原作、室井大資漫画で描く鬼才の戦国時代劇!
今が変わると歴史も変わる。誰もが知っているお馴染みの歴史上の出来事や人物でも、作者の感性によって別の角度から光を当てると、新たな輝きを放ちます。作家の手腕によってお馴染みの史実がリ・クリエイトされた歴史漫画12作品。
【あらすじ】 弘化2年(1845年)、シーボルトの娘・イネは産婦人科医として身を立てるため、岡山の産婦人科医・石井宗謙を訪ねた。当時の日本では女の医者はタブーで、宗謙はイネの弟子志願を断った。「下女でいいから側に置いてほしい」と、強引にイネの産科修行が始まった。翌年、彦根藩主・井伊直中の15人の息子の一人で、部屋住みの身分だった直弼は立て続けに兄弟が亡くなったことで、江戸城に登城が許される。生涯埋もれたままで終わるはずの直弼は、思わぬ形で歴史の表舞台に出ることになった。
【作品情報】 作者は『ふたりは恋人』『学園無宿帖』のみなもと太郎。2001年からリイド社「コミック乱」で連載され、2020年に作者が亡くなったことで未完となり、34巻まで配信中です。「風雲児たち」シリーズは、『ワイド版風雲児たち』『風雲戦国伝風雲児たち外伝』『ニッポン意外史』『冗談新撰組風雲児たち外伝<増補新版>』『風雲児たちガイドブック解体新書』『風雲児外外伝松吉伝』が配信されています。
【おすすめするポイント】 歴史大河ギャグ漫画の、幕末にテーマを絞った続編。幕末の重要な人物がギャグ漫画のタッチで描かれ、幕府側、尊皇攘夷側に偏ることなくフラットに幕末を俯瞰できます。特定の幕末の英雄は知っていても、幕末全体の流れは今一つ理解できていない方におすすめ。全巻を読破したら、幕末全体の流れを把握できるでしょう。
【あらすじ】 文久3年(1863)、土方歳三と沖田総司は京都の団子屋ちりぬやの常連になる。そこで忙しく働いている白髪の少年・におと妹・いろはは実の兄妹ではなかった。二人とも孤児で、店主の婆さんが引き取り育ててきたのだった。いろはは公家の養女になると決まっていた。ある夜、人さらいに狙われたいろはを総司と歳三が助ける。におは人さらいの中に一人だけ、子どもを人質に取られ、やむなくいろはを襲った男がいることを見抜いた。事件の解決後、歳三はにおを、壬生浪士組に誘った。におは京都で仲間になった「三匹目の狼」と呼ばれた。
【作品情報】 作者は『DAYS』『OverDrive』の安田剛士。2021年から講談社「週刊少年マガジン」に連載され、2024年7月時点で14巻が配信中です。現在第一部が終了し、『青のミブロ-新撰組変-』がスタートしています。2024年10月にはテレビアニメもスタートします。
【おすすめするポイント】 『DAYS』でサッカーに燃える高校生を描いた安田剛士が、新たに新撰組をテーマに描く青春群像劇。13歳の少年・におの視点から新撰組を描きます。主人公・におが『DAYS』の人気キャラ風間陣にそっくり。それだけでイヤでも期待が高まります。『DAYS』同様、仲間一人ひとりの個性が浮き彫りにされ、まるで隊員たちが現代を生きている若者のような親近感を持って描かれます。
【あらすじ】 己の強さを求め、ただ闇雲に道場破りを繰り返す、若き日の土方歳三。そんな時、天然理心流・試衛館の近藤勇に挑み、敗北を喫す。土方は雪辱を誓い、試衛館の門を叩いた。最も強く、最も熱い新撰組が今始まる!!
【作品情報】 原作は『終末のワルキューレ』の梅村真也。漫画は『紺碧のプリズナー』『一休』『学園兵器ミツマル』の橋本エイジ。二人のコンビ作には『天翔の竜馬』があります。コアミックス「月刊コミックゼノン」に2012年から連載され2023年に全36巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 ストーリーは1912年(明治45年)からはじまります。表紙やオープニングのカラーイラストが魅力的で、ほれぼれするほどステキです。しかし、女性受けだけではなく、男性受けもしそうなのがこの作品のもっとステキなところでしょう。しかも、なんといってもこの漫画の主人公はあの新撰組の土方歳三ですから、また最高にオススメなところだと思います。新撰組ということはバトルシーンも満載なわけで、テンポよく読んでいけるのではないでしょうか。『学園兵器ミツマル』の橋本エイジ先生とタッグを組んだ梅村真也先生の作品、歴史マニアにもそうでない方でも楽しめますよ。
【あらすじ】 南方仁は東都大学附属病院に勤める脳外科医である。ある日、彼が頭部裂傷の緊急手術を執刀した患者が、病院を脱走しようとする。患者と揉みあううちに、仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまった。電気も消毒薬も抗生物質もない世界で、医師・南方仁の戦いが始まる。
【作品情報】 作者は『六三四の剣』『龍-RON-』『赤いペガサス』の村上もとか。2000年から集英社「スーパージャンプ」に連載され、2010年全20巻で完結しています。大沢たかお主演でテレビドラマ化され2シーズンにわたって放送されました。
【おすすめするポイント】 東都大学附属病院に勤める脳外科医、南方仁。ある日執刀した手術で、患者の脳に胎児の形の腫瘍を発見し摘出するのですが……。後日、腫瘍を摘出した患者が脱走した際に揉み合いとなり、仁はなんと幕末の1862年にタイムスリップしてしまいます。医療が飛躍的に進歩した現代から、電気も、水道もない幕末へ……。それでも仁は医師として、できることを模索していきます。大沢たかおさん主演でドラマ化された作品の原作です。医療技術も未発達で、完全なアナログ世界でも人を救うために奮闘する仁先生。どちらかというと原作の仁先生のほうが落ち着いていて大人の色気を感じます。医療漫画としてだけでなく、人情、歴史、恋愛など魅せてくれます!著者はヒューマンドラマの名手、村上もとか。代表作は『龍‐RON』『六三四の剣』など。
【あらすじ】 白河藩江戸屋敷に籍をおく沖田惣次郎は、12歳にして大人も負かす剣の腕前と評判があった。それを聞いた剣術好きな藩主の命により、同藩の剣術指南番・村上との御前試合を行うことに。村上は当初、たかが子どもと甘く見ていたが、惣次郎の実力は想像以上で、途中から真剣勝負で臨む。だが、それでも一太刀も入らず、逆に惣次郎の見事な突きが決まり……。
【作品情報】 作者は『REGGIE』『ヨリが跳ぶ』『アグネス仮面』のヒラマツ・ミノル。小学館「ゲッサン」にて2009年から連載され、2024年5月時点で29巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 ヒラマツ・ミノル先生による新選組の剣士・沖田総司が主人公の作品です。1854年、江戸。12歳の沖田惣次郎は、指南番の剣豪・村上と御前試合に臨みます。惣次郎は勝利しますが、負けた村上は切腹となってしまいます。村上の介錯を頼まれた惣次郎でしたが、誤って切腹が行われるより先に首を切り落とし、投獄されていまします。惣次郎が捕らえられ、拷問されている藩屋敷に現れたのは……。天才剣士として名高い沖田総司。幼いころから凄かったのですね。剣は天才ですが、それ以外の抜けている部分などのギャップも巧みに描かれており、とてもかわいらしいです。島崎勝太(のちの近藤勇)のアニキっぷりもほれぼれします。彼らが幕末をどう駆け抜けていくのか、今後がとても楽しみです。
【あらすじ】 ある日、農家の娘・花の家に軍服姿の長身の青年・誉が訪ねてきた。初対面なのに二人はその日のうちに祝言を上げて、新婚初夜を迎えた。緊張で誉の顔をよく見ていなかった花だったが、よく見るとイケメン。誉の誠実さと礼儀正しさに花だけでなく村の人々全員が魅了されていく。村での穏やかな日々でゆっくり愛を育んでいた二人だったが、軍人の誉は駐屯地が決まり兵営に旅立った。
【作品情報】 作者は『雨の日と月曜日』のコマkoma。2023年か芳文社「COMICFUZ」にて連載され、2024年4月時点で2巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 4コマ漫画のようなコマ割りで、村の日常が淡々と描かれるなか、ちょっとした人との触れ合いや村の風景に癒されます。「出会ったその日に結婚」という現代では考えられない格式張った婚姻ですが、少しづつ心をつなげる二人の絆はホンモノ。現代のように簡単に出会って、簡単に別れることができなかった時代の夫婦の結びつきに憧れます。読後、心が温かくなる佳作です。
【あらすじ】 大正時代、実業家の裕福な家に生まれた千春だったが、28歳なのに未婚のままだった。千春には背中には大きな痣があり、先方に伝えるとどの縁談話も立ち消えになる。ある日、父の事業が行き詰まり、借金を肩代わりをするかわりに千春を妻に迎えたいという申し出があった。その男こそ、パーティーで千春に無理矢理キスしてきた瀬田寛志だった。結婚に乗り気でない千春だが、一族の生活のためと、いざという時は背中の痣を見せてわざと三下り半を渡されるつもりだった。しかし、寛志は第一印象と違い、千春を優しく包み込み、千春が望むまで体の関係を望むことはなかった。
【作品情報】 作者は『今日から先輩を忘れます』『根暗くんの愛し方』『愛になるまであたためて』の山口恵。2021年めちゃコミックで先行配信され、2024年9月時点で13巻まで配信中です。
【おすすめするポイント】 結婚に縁遠かった女性が交際期間0日で理想の夫出会い幸せになる典型的なシンデレラストーリーですが、この作品では簡単に幸せにはなれません。関係が崩れるような事件が次々勃発し、そのたびに夫婦の絆が試されます。千春・寛志にはハッピーエンドが待っているのか?最後まで気が許せません。
【あらすじ】 日露戦争の帰還兵・杉元佐一は、5年前にアイヌ人の一部が皆殺しにされ、彼らから奪われた金塊がどこかに隠されていることを知った。殺された父の仇を討つために旅に出ていたアイヌの少女・アシㇼパと手を組み、金塊探しに乗り出した。金塊探しの鍵を握る、網走監獄から脱獄した囚人たち、陸軍第七師団、戊辰戦争で死んだはずの土方歳三など複数のグループが入り乱れて、金塊探しのバトルが開始された。金塊は一体どこに?最後に金塊を手にするのは誰か?
【作品情報】 作者は『スピナマラダ!』『ドッグスレッド』の野田サトル。2014年から集英社「週刊ヤングジャンプ」に連載され、2022年に全31巻で完結しています。2018年にテレビアニメ化され、4期にわたって放送されました。2024年には山﨑賢人主演で実写映画化されています。
【おすすめするポイント】 金塊をめぐって、敵が味方になったり裏切られたり、目まぐるしく勢力図が変わってまったく先が読めない展開にワクワク。物語が進んで行くにつれて、同じ日本なのになかなか知ることができないアイヌの生活や文化を知ることができます。特にアイヌ料理はどれもおいしそうで、食べてみたくなること間違いなしです。土方歳三や石川啄木などの実在の人物や、映画俳優をモデルにしたキャラなど、一人ひとりのキャラクターの個性が際立っていて、一気読み必至の名作です。
【あらすじ】 昭和19年、太平洋戦争末期、田丸一等兵の所属する部隊は、南海の楽園ペリリュー島にいた。美しい景色の中で米軍の攻撃が容赦なく襲ってくる。死の恐怖に怯える田丸に、父のように英雄的な最期を迎えたいという同僚の小山だったが、米軍の空襲に驚き転んで石に頭をぶつけ、あっけなく死んでしまう。田丸は上官から漫画家志望の才能を活かして、戦死した兵士の死に様を家族に伝える手紙を創作する「功績係」を頼まれる。アメリカ軍の空爆はいよいよ激しくなり、一撃の爆弾で次々と仲間が死んでいく。
【作品情報】 作者は『さようならタマちゃん』『おやこっこ』の武田一義。2016年白泉社「ヤングアニマル」で連載され、2021年に全11巻で完結しています。2022年からは『ペリリュー-外伝-』がスタート。2024年7月現在3巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 『さようならタマちゃん』で自らの精巣腫瘍の闘病を描いた作者が、今度は太平洋戦争末期の日本軍の末路に挑みました。丸くかわいらしい絵柄と裏腹の戦場の凄惨な描写が、妙に生々しく胸に迫ってきます。現代人と同じ価値観を持ち殺し合いを嫌がり、怯え逃げ惑う姿に共感できます。情け容赦のない殺し合いの中で、星空や虹など、島の自然の美しさが戦争の悲惨さを強調しています。
【あらすじ】 「女中」。かつては日本女性の一大職業であり、日常の中にその姿がありました。これは、そんな女中さんたちが活躍した昭和初期を舞台に14歳の女の子・野中ハナが、翻訳家の蓮見令子の女中として働く日々を描いた物語。
【作品情報】 作者は『こうふく画報』『つれづれ花譚』『2KZ』の長田佳奈。コアミックス「月刊コミックゼノン」にて2020年から連載され、2024年6月時点で5巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 14歳の女中さん・ハナちゃんと翻訳家の令子さんとの優しく温かい暮らしが素敵に描かれています。昭和初期、女中さんは裕福な家庭でなくても普通に雇う身近な存在でした。翻訳家の令子さんの家にやってきたちいさな女中さんは14歳の野中ハナちゃん。愛想がなく反応も薄いハナちゃんに令子さんはとまどいますが、暖かく親切に接します。真面目にきちんと仕事をこなすハナちゃんを令子さんはいつも褒め、着物をあげたり、新しい道具の使い方を教えたり、二人の暮らしは穏やかに流れていきます。当時の風俗や様子などが丁寧に描かれ、物語の世界にすぐに入り込むことができます。大きな事件はなくても、こんなに面白く物語を描くことのできる作者の長田佳奈先生の力量は素晴らしいです。続きが読みたくなる作品です。
【あらすじ】 200X年のイージス艦が、1942年にタイムスリップしたならば――。“来(きた)る”太平洋戦争が、その先の“みらい”が激震する!!――海上自衛隊所属、最新鋭イージス艦「みらい」、謎の暴風雨に遭遇(そうぐう)。そしてすべての僚艦(りょうかん)、失踪(ロスト)……。やがて、1942年・ミッドウェー海戦域のド真ん中に“出現”した「みらい」は、撃墜(げきつい)された海軍将校を救助。そして、「歴史」は塗り替えられる――!!講談社漫画賞受賞。圧倒的なイマジネーションで描き出される、歴史横断超大作!
【作品情報】 作者は『沈黙の艦隊』『太陽の黙示録』『空母いぶき』のかわぐちかいじ。2000年から講談社「モーニング」に連載され2009年に全43巻で完結しています。2004年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 2004年にテレビアニメ化された作品です。日米新ガイドラインの下での海外派遣により海上自衛隊の自衛艦隊のイージス艦「はるか」と「みらい」はエクアドルへ向かっていました。みらいの副長兼船務長の角松洋介は父の影響を受け、自らも自衛官となりました。出港4日目のある日台風がやってきてしまい、先行艦のはるかと通信不能になり……。とても読み応えのある作品です。みらいという船と角松を含む船の中にいた自衛隊員たちが、この先一体どうなってしまうのかドキドキしながら読める作品です。
【あらすじ】 ディスカバー・ジャパンーーこれは、古き良き日本文化を取り戻すための物語。時は明治初頭。東京から蝦夷まで、地図なき道を旅したイギリス人がいた。その名はイザベラ・バード、冒険家。彼女の目的はただ一つ、滅びゆく日本古来の生活を記録に残すこと。通訳の伊藤鶴吉を一人連れ、日本人すらも踏み入ったことのない奥地への旅が、今はじまる!漫画誌ハルタの実力派新人・佐々大河。初のコミックスは、日本の魅力を熱筆した旅物語!!
【作品情報】 作者は本作がデビュー作となった佐々大河。イギリスの女性冒険家イザベラ・バードの著書『日本奥地紀行』がベースになっています。KADOKAWA「ハルタ」に2013年から不定期連載され、2024年4月時点で11巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 佐々大河先生の描く、史実を元にした明治時代の物語!主人公はイギリス人の女性冒険家であるイザベラ・バード。翻訳の伊藤鶴吉と共に江戸を記録する旅をします。初めて知ることばかりで、楽しく読み進められます。主人公視点で、日本語のセリフがぼやけた文字になっているのが斬新だと思いました♪
江戸時代は平和でゆったりしたユートピア……なんて大間違い。百姓も武士も、生きるために必死にもがいていたのです。自らの信念に従い命がけで生き抜いた江戸時代の人々を描く歴史漫画9作品です。
【あらすじ】 男子のみを襲う謎の疫病が国中に流行り、男子の数が激減。男女の立場が逆転した世界に生まれた貧乏旗本の水野は、大奥へ奉公することを決意する。女性の将軍に仕える美男三千人が集められた女人禁制の場所・大奥で巻き起こる事件とは……!?
【作品情報】 原作は『きのう何食べた?』『西洋骨董洋菓子店』のよしながふみ。2004年から白泉社「MELODY」2021年で全19巻で完結しています。2023年にNetflixでアニメ化、2010年に実写映画、2012年にテレビドラマ・実写映画第2弾が制作されました。2023年NHKで再ドラマ化されています。
【おすすめするポイント】 歴史的に有名な大奥を男女逆転させて描いた新しい観点の物語。男女は逆転していますが、歴史事情はしっかりしており、濃くて深い人間模様を、将軍家代々と垣間見ることができます。そして男女の切なさもぎゅぎゅっと込められてるので、一気読みの際はティッシュをご用意ください。
【あらすじ】 江戸城の囲碁の棋士・安井算哲(別名・渋川春海)は、当時は真剣勝負でなく定石を披露するだけだった囲碁の世界に飽き足らず、算術や天文学にまで興味を広げていた。渋谷の金王八幡宮に算術の問いが書かれた絵馬を見に行った際、答えを全問書いている男「関孝和」の存在を知った。囲碁では本因坊道索としきたりを破り、真剣勝負に挑む。やがて将軍後見役の保科正之から命を受けた算哲は、全国各地の北極星の位置を確認する北極出地に旅立つ。
【作品情報】 原作は『光圀伝』『もらい泣き』『十二人の死にたい子どもたち』の小説家・冲方丁の同名時代小説。コミカライズは『朱黒の仁』『魔女をまもる。』の槇えびし。2011年から講談社「アフタヌーン」で連載され、2015年に全9巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 代々棋士の家でありながら、好奇心の翼を広げ、ついに日本初の暦を作った男・渋川春海の人生を描きます。言葉だけでは理解しにくい天文学や算術も、漫画なので、直観的に理解できます。新しいことに挑戦する方、何かの壁にぶち当たっている方に読んでもらいたい、チャレンジを続ける勇気をもらえる作品です。
【あらすじ】 各時代に生きた“陸奥”を描く「修羅の刻」シリーズ始動!――関ケ原の合戦から十年余。この時代にも、修羅の業(わざ)をつかう男がいた。その名は――陸奥八雲(むつ・やくも)!宮本武蔵(みやもと・むさし)が吼え、剣が唸り、血しぶきが舞い、稲妻が走る!陸奥圓明流(むつえんめいりゅう)外伝、時代劇となって、見参!
【作品情報】 作者は『海皇紀』『修羅の門』の川原正敏。1989年から講談社「月刊少年マガジン」で不定期連載され、2024年6月時点で22巻が配信中です。2004年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 『修羅の門』や『海皇紀』など数々のヒット作を描いている川原正敏先生の作品です。この漫画も大変人気があり、アニメ化のみならず小説化もされたほどです。歴史ものの作品で、無手で闘う陸奥圓明流の継承者たちを題材にしています。宮本武蔵を始めとした歴史上の偉人たちと陸奥圓明流の継承者たちとの友情や愛情、考えや思いなどのさまざまな生き様を描いています。絵は繊細でインパクトや躍動感もあり、ストーリーはテンポが良くサクサク読める構成になっています。時間も忘れて熱中して読むこと間違いなしの作品です。とてもおすすめの作品ですよ!
【あらすじ】 江戸最大の遊郭、吉原。生者と死者の情念が渦巻くこの街で、気がつくと見知らぬ神社に迷い込んでいた、売れっ子遊女のあお。そこは強く霊験のご利益を求める者のみが辿り着くという、浮世と冥土のはざま『鎮守の社』だった……!社を訪れるのは、美しくも悲しい過去を背負った遊女ばかり。魂を導き、救うために、宮司の楽丸と共に、あおは彼女たちの人生を紐解いていく??!
【作品情報】 作者は本作がデビュー作となる安達智。2019年から「マンガボックス」で連載され、2024年7月時点で14巻が配信されています。別名義・塵芥居士としてはエッセー『丁寧な暮らしをする餓鬼』を執筆しています。
【おすすめするポイント】 江戸最大の遊廓、吉原を舞台にした安達智先生の作品です。売れっ子遊女のあおは、気がつくと見知らぬ神社に迷い込んでいました。そこで出会った宮司の楽丸から、ここは冥土の遊郭を管轄する鎮守の社だと教えられます。実はあおは、わだかまりを残しながら死んでしまい、ここにいるようなのです。楽丸の仕事は、死者や悪霊が悪さをしないよう、浮世と冥土のため、魂を守り導くこと。死んだ遊女のお祓いを手伝ったことから、あおは楽丸の仕事を手伝うことに。あおと楽丸の掛け合いが楽しいです。二人の元に訪れた死者たちの人生やわだかまりが紐解かれ、救われていく様が悲しくも感動的です。当時の吉原の風俗や文化も巧みに描かれ、興味深いです。今後二人がどんな活躍をするのか、続きが気になります。
【あらすじ】 江戸時代初頭、天下の法に反して駿河城内で挙行された真剣御前試合で対峙したのは、片腕の若武者と盲目の天才剣士だった!!残酷無惨時代劇!!
【作品情報】 原作は『月影兵庫』シリーズや『隠密くずれ』などの時代小説家南條範夫の『駿河城御前試合』をはじめとする短編。漫画は『悟空道』『覚悟のススメ』『劇光仮面』の山口貴由。2003年から秋田書店「チャンピオンRED」に連載され、2010年全15巻で完結しています。2007年にはテレビアニメ化されました。
【おすすめするポイント】 原作は『右京介巡察記』などで有名な南條範夫先生、漫画は『覚悟のススメ』などで有名な山口貴由先生です。アニメ化もされており人気の漫画です。内容は歴史漫画で、武士道について描かれています。この作品の特徴は、なんといっても絵にあります。武士道について描かれているため、残酷なシーンや血の飛び散るシーンがありますが、グロテスクだけではなく非常に迫力のある絵になっています。また筋肉の盛り上がりなど細かいところまでこだわってあり、臨場感があります。武士道とは何なのか、武士の生き様などが表現されており、とてもおもしろい作品です。
【あらすじ】 池波正太郎の名作小説を巨匠がコミック化。江戸の治安を守り、悪賊を討つ火盗改方御頭(長官)・長谷川平蔵、人呼んで「鬼平」の活躍を描く、本格時代劇シリーズ。
【作品情報】 原作は『真田太平記』『編笠十兵衛』の時代小説家池波正太郎。漫画は『ゴルゴ13』『雲盗り暫平』『サバイバル』のさいとう・たかを。リイド社「コミック乱」にて1993年から連載され、2024年8月時点で62巻が配信中です。池波正太郎三大シリーズの2作『剣客商売』『仕掛人・藤枝梅安』もコミカライズしています。
【おすすめするポイント】 池波正太郎先生の小説を久保田千太郎先生が脚色、「ゴルゴ13」のさいとう・たかを先生が漫画化した作品です。TVアニメ化でも話題になりました。舞台は江戸時代、鬼平と呼ばれる長谷川平蔵が主人公です。絵も細かく、まるで時代劇を見ているよう。人間味溢れるヒューマンドラマで、一度読んだらハマっちゃいます!
【あらすじ】 今から三百数十年前、野菜売りを営む親の元に生まれながら、大奥のトップに上り詰めた桂昌院。「玉の輿」の語源となったといわれる一人の女の生涯を描く日本一のシンデレラストーリーが、始まる!!
【作品情報】 作者は『きょうは会社休みます。』『隣りのタカシちゃん。』『少女少年学級団』の藤村真理。2019年集英社「デジタルマーガレット」に連載され3巻まで配信中ですが、2022年2月以降休載中です。
【おすすめするポイント】 藤村真理先生の大奥を描いた作品。桂昌院こと「お玉」の人生が終わるところから物語が始まる。なかなか凝った設定で、死んでから知り合いがみんな見ている前で人生の上映会を始められてしまう。実際に死後の世界がこんな感じだとすれば結構楽しいことがいっぱいだったりして。
【あらすじ】 江戸時代。大奥に仕える女性たちの多くは、生涯独身であった。そんな彼女たちが、持てあました時間と愛情を注いだ対象、それは――にゃんと、ネコだった!?大奥に暮らすオンナとネコの日常を描くほのぼのショート!
【作品情報】 作者は本作が連載デビューとなる山村東。講談社「モーニング」にて2020年に連載され、2024年8月時点で9巻が配信中です。
【おすすめするポイント】 山村東先生の送る猫と大奥の女性たちとの物語です。江戸時代、大奥に仕える女性たちの多くは生涯独身ででした。彼女たちの多くは猫を飼い、たっぷり愛情を注いでいました。そんな環境でも、御年寄・滝山は猫嫌いで有名。実はそれは誤解で、本当は猫が大好き。時々部屋に遊びに来る吉野ちゃんという猫に今夢中になっています。顔が険しく、周りの配慮も相まって一向に猫好きを認識してもらえない滝山。真面目過ぎるがゆえ、誤解を受けやすい彼女と、猫の戯れが本当に可愛く愛しいです。滝山のようなタイプは現代にも通じる女性像ですので、共感する人は多いのではないでしょうか。ほのぼのと癒される素敵な作品です。猫が本当に可愛いです。
【あらすじ】 江戸の世、天下人・徳川家康は甲賀(こうが)と伊賀(いが)という忍法の二大宗家を相争わせ、十人対十人の忍法殺戮(さつりく)合戦の結果どちらが生き残るかによって、三代将軍の世継ぎ問題を解決させることにした。だが憎み合う両家にあってそれぞれの跡取り、甲賀弦之介(げんのすけ)と伊賀の朧(おぼろ)は深く愛し合っていた――。時代に翻弄(ほんろう)される忍術使いたちのあまりにも過酷な運命の幕が上がる!!
【作品情報】 原作は『魔界転生』『くノ一忍法帖』など忍法小説で知られる山田風太郎の伝奇時代小説。漫画は『鬼斬り十蔵』のせがわまさき。2003年から講談社「ヤングマガジンアッパーズ」に連載され、2004年に全5巻で完結しています。2005年にはテレビアニメ化されました。せがわまさきは『Y十M(ワイじゅうエム)~柳生忍法帖~』『十~忍法魔界転生~』『山風短』など、山田風太郎忍法シリーズをコミカライズしています。
【おすすめするポイント】 徳川家康により殺し合いを命じられた伊賀と甲賀に住む忍者達―。甲賀卍谷衆・甲賀弦之介と、伊賀鍔隠れ衆・朧は恋人同士なのに対立する形となってしまいました。そんな二人を思うととっても切ないです。硬派な絵柄に緊張感あるストーリー。殺し合いという設定上グロイ部分がありますが、そういう描写があるからこそ読み手も世界観に引き込まれ、無我夢中で読んでしまいます。1巻ごとのボリュームも満点!面白いです!山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」のコミカライズで、アニメ化もされました。「SHINOBI-HEARTUNDERBLADE-」というタイトルで映画化にもなっています。作画・せがわまさきさんのその他の作品に「鬼斬り十蔵」等。
現代よりもずっと闇が深かった古代から平安時代。救いは神仏の力か? それとも人間の信念か?文明が発展し便利な社会になっても人間の心の根本は変わらないと教えてくれる、古代から平安時代を舞台にした歴史漫画群をご紹介。
【あらすじ】 のちに織田信長に焼き討ちされる比叡山で天台宗を開いた最澄。高野山で真言宗を開いた空海。同時代に仏教の二大宗派を興しながら、最澄は大乗仏教、空海は密教と、真逆の道を進んだ二人の開祖の歩みを辿る物語。得度して仏門修行を続ける広野(のちの最澄)だったが、同僚の僧・羽取が殺されたショックで寺を捨てて、深く山中に籠もる。のちに空海となる佐伯真魚(さえきのまお)はエリートコースが約束された大学であらゆる本を読み漁ったものの、真理を得られず、退学した。
【作品情報】 作者は『胚培養士(はいばいようし)ミズイロ~不妊治療のスペシャリスト~』『あなたに聴かせたい歌があるんだ』『サプリ』のおかざき真里。2014年から小学館「月刊!スピリッツ」に連載され、2021年に全14巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 最澄と空海、これまでの小説や映画ではどちらかが主人公として描かれていまが、本作では二人を並行して描くことで、同時代に生きた開祖の生き様の違いが浮き彫りになります。おかざき真里の繊細かつ躍動感のあるタッチで、二人の人並み外れた感受性と才気を描いていきます。遣唐使となり唐に渡り、修行の末に帰国。それから、いよいよ二人の天才の人生が交差することに。そこで何が起きたのか?二人のドラマに注目です。
【あらすじ】 平安時代。上級貴族の藤原丸光の異なる妻から同じ日に誕生した男女。娘は沙羅双樹の姫君、息子は睡蓮の若君と呼ばれた。二人は容姿もそっくりに育ちながら、沙羅は男らしく、睡蓮は娘らしく成長してしまう。自らの性のあり方に悩む二人は天狗に襲われたことをきっかけに、役割を入れ替わり、性別を偽って生きることになった。美しく成長した二人は同性から恋愛対象として注目を浴びるようになる。
【作品情報】 作者は『輝夜伝』『恋物語』『もう一人のマリオネット』のさいとうちほ。小学館「月刊フラワーズ」2012年から連載され、2017年に全13巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 古典文学の「とりかえばや物語」を現代のトランスジェンダー問題に通じる物語にリ・クリエイト。物語が進むにつれて妹・睡蓮を好きなはずの親友・石蕗(つわぶき)が同性の沙羅に惹かれたり、女性であるはずの睡蓮が女東宮に男として恋心を抱いたり、複雑さが増していきます。姉弟の行き着いた場所には何が待っているのか?最後まで見届けてください。
【あらすじ】 恋した人は、義理の母。光源氏(ひかるげんじ)を生涯苦しめる、許されぬ恋が始まる。多くの女性と恋に落ちた光源氏の恋物語は、藤壺(ふじつぼ)の宮(みや)への恋から始まった。相手は父の妻、そして義母。しかし源氏は、決して越えてはならない一線を踏み越えてしまうのだった……。
【作品情報】 作者は『はいからさんが通る』『イシュタルの娘~小野於通伝~』『ヨコハマ物語』の大和和紀。1979年講談社「mimi」から連載が開始され、「mimiExcellent」に移籍し、1993年に全13巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 古典を漫画でという読み方もよし、古典ということを忘れて名作少女漫画として読むのもよし。個人的には葵の上が好き。若さゆえに素直になれない不器用な夫婦。恋多き光源氏が正妻に戸惑う姿はなかなか。しかし、浮船に共感できる女性っているのでしょうか?
【あらすじ】 時は平安、藤原家が宮廷の権力を掌握せんと目論んでいたその頃、都で突如起きた女官の行方不明事件。「鬼の仕業」と心配する帝から命を受けた在原業平は、一人の青年と出会う。その少年の名は――菅原道真。ひきこもり学生の菅原道真と京で噂の艶男・在原業平――身分も生まれも違う、およそ20歳差の二人が京で起こる怪奇を解決!?『回游の森』『SP』の気鋭・灰原薬がおくる、平安クライム・サスペンス!
【作品情報】 作者は『SP』『回游の森』の灰原薬。2013年から新潮社「月刊コミック@バンチ」「月刊コミックバンチ」「コミックバンチKai」と掲載誌を移籍しながら連載が継続され、2024年7月時点で19巻まで配信中です。2017年には第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞受賞しました。
【おすすめするポイント】 平安時代は魑魅魍魎が信じられていた時代で、大の大人までが暗闇に潜む物の怪を本気で恐れています。そんな平安京で起こる怪事件を、女遊びと恋のうわさが絶えない在原業平と、本ばかり読んで表舞台に出ようとしない若き天才・菅原道真が解決していきます。色恋のシーンは艶めかしく、魑魅魍魎のシーンは怪しく……鬼が人になるのか?人が鬼となるのか?貴族たちの権力争いが織り成す陰と陽の世界をご堪能いただけると思います。東京大学教授で歴史学者、本郷和人氏が監修する歴史の文化や風俗にも触れられる作品です。
【あらすじ】 平安時代、稀代の陰陽師と恐れられた安倍晴明。盟友にして管弦の道を究めた貴族の男・源博雅と共に都の怪異に挑む。第1巻には賀茂忠行と共に、菅原道真率いる百鬼夜行に遭遇する少年時代の晴明を描くプロローグ「安倍晴明忠行に随ひて道を習ふこと」、盗まれた唐伝来の琵琶・玄象にまつわる羅城門での凶事を描く「玄象といふ琵琶鬼のために盗らるること」、僧・寿水のもとに夜な夜な現れる口の無い美女の謎を解く「梔子の女」の2編を収録。
【作品情報】 原作は『餓狼伝』『サイコダイバー』『神々の山嶺』の小説家・夢枕獏の同名小説。コミカライズは『ファンシイダンス』『領国花錦闘士』の岡野玲子。1993年からスコラ「コミックバーガー」「コミックバーズ」に連載され、1999年からは白泉社「月刊メロディ」に連載され、2005年に全13巻で完結しています。2023年にはNetflixでアニメ化されました。2011年から続編『陰陽師玉手匣』が「MELODY」に連載され、2017年に全7巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 原作・夢枕獏先生のこちらの作品。平安時代、まだ闇が闇として残っていたころのお話。怨霊に脅かされ続けた時代でもあるといわれています。そこには、その闇をじっと見つめる少年がいました。のちに最強の陰陽師としてその名を轟かせることになる安倍晴明です。陰陽道の師匠である賀茂忠行に弟子入りしてお世話になっている晴明ですが、周りからは狐の子と言われたりして気味悪がられていました。百鬼夜行にいち早く気付き、忠行に伝える晴明。すぐに隠術を施したことで命が助かります。忠行が何年も修行して見えるようになったものを、晴明は幼い頃から見ることができたのです。陰陽師の原点ともいえる「おにのさうし」と合わせて読むとさらに楽しめます。
【あらすじ】 正義の味方コンビ・中大兄皇子と中臣鎌足が、大悪人の蘇我入鹿を成敗して成し遂げた政治改革を「大化の改新」という。日本古代史上、最大級の暗殺事件だ。明治17年、美術研究家のアーネスト・フェノロサと岡倉天心は奈良の法隆寺・夢殿の中にある謎の仏像を見ようとした。その仏像は「救世観音」と呼ばれ、聖徳太子をモデルにしたとされる。ところが白布でぐるぐる巻きにされて1200年以上も封印され、誰も見ることができない。おまけに、その仏像を見ようとすると天変地異が起こるという伝承まで残されていたのだ。二人が夢殿の扉を開こうとすると、恐怖に駆られた僧たちが逃げ出すほど。しかも仏像を調べると、後頭部に釘が打ち込んであった!!ありがたき聖徳太子の化身を、なぜ人目に触れぬよう封印し、釘を打ち込み、絶対秘仏とせねばならなかったのか?まるで、その祟りを恐れているかのようである。ここで日本古代史上、最大の暗殺事件の犠牲者が浮かび上がってくる。「大化の改新」の真相は、中大兄皇子(天智天皇)と、父親を殺された大海人皇子(天武天皇)との、壮絶な兄弟喧嘩の号砲だったのだ……!!
【作品情報】 原案・監修は園村昌弘。漫画は『ギャルボーイ!』『ガラスの椅子』『卑弥呼-真説・邪馬台国伝-』の中村真理子。2012年小学館「ビッグコミック」に連載され2016年全11巻で完結しています。
【おすすめするポイント】 中村真理子先生漫画、園村昌弘先生原案監修の作品です。645年・大化の改新。中大兄皇子と中臣鎌足が、悪人の蘇我入鹿を倒して進めた政治改革。しかし、その真相は……?飛鳥時代、中大兄皇子(天智天皇)は、自国のために日本からの遣唐使を阻みたい百済の王子・豊璋と手を組み、蘇我入鹿の暗殺を決行します。蘇我入鹿は遣唐使の提唱者でした。暗殺が成功した5年後、中大兄皇子の前に蘇我入鹿にそっくりの若者が現れます。彼は、大海人皇子(天武天皇)で、中大兄皇子の弟でした。このあと、壮絶な兄弟喧嘩が時代を大きく動かしていきます。複雑な内面と翳りのある中大兄皇子、清廉な雰囲気ながら強かな大海人皇子と、主人公たちがそれぞれの個性でとても魅力的に描かれています。絵も美しく、壮大な物語を一層、興味深くしてくれます。個性のまったく異なる二人の皇子の愛憎の物語がどうなっていくのかが魅力です。
学ぶもよし、現実逃避もよし。歴史漫画にハマって明日を生きる糧にしよう
今回は歴史漫画おすすめ65選をお届けしました。歴史漫画はまさしく万華鏡。同じ人物でも作者の解釈によって、まったく違う人物に描かれます。今回紹介した作品を読んだら、ほかの作者によって描かれた同じ題材や歴史上の偉人を描いた歴史漫画を手に取ってみてください。新しい発見をして、歴史や漫画をもっと好きになること間違いなしです。