BUDDIES
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BUDDIES

倫敦巴里子

まるで万華鏡のような2人

ネタバレ
2024年12月31日
このレビューはネタバレを含みます▼ バディ物かぁ、どんな話なんだろう、と思って読み始めたら、初めはハーフの薄幸男子虹郎が、大手ゼネコン企業の部長、梶と手を組んで、梶の昇進の邪魔になる社内の人間を駆逐していく話なのか、という印象が、次々と裏切られ、虹郎と弟の頭の良さや生い立ち、梶の本当の狙いに実は兄である社長との関係性と、2人が成し遂げようとしている目標が次第に明らかになるストーリーにググっと引き込まれる骨太なお仕事BLでした。その筋を負うだけでも読み応え大有りなのに、虹郎がミッションのために顔の良さを活かして思わぬルックスで登場したりするだけでなく、梶も実は前髪下ろしたら童顔で、最初は遠くに感じた2人の距離が、バディ感が増すに連れて見た目もCPに見えてくるっていうのが何とも絶妙で痺れるんです。

そして、梶の前ではバディとして責任感を持って、自分の感情がバレないように冷静に振る舞っている虹郎が、梶のいないところでは全部表情に出ちゃっているのほんっとに可愛い!!!梶も、善人なのに、目的のために手段を選べない中、虹郎だけは守ろうとするところがカッコイイのです。

正直なところ、そこまで行かなくても、話が面白いからいいや、と思っていたら、なんと身体の関係の描写まであるんですよ…。そこで見せる、思わぬ虹郎のウブさのギャップとトロトロな表情、梶の葛藤と、あんなに真面目そうだったのに、とある理由から実はテクニシャンな梶の吹っ切れた攻めっぷりに、「あぁ、そんなところまで見せていただいて、誠にありがとうございますぅぅ、巴里子せんせえ…(涙)」と息も絶え絶えになったのであります!!!

ぜひ、前半のお仕事物としての読み応えと、よんでいる間に目まぐるしく変化していく万華鏡のような2人の姿と関係性を堪能して、ご褒美となる甘い2人の交わりと、かっこよく成長した虹郎の姿を楽しんでほしい、上下巻。読み応えアリで、満足でした~!!
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