6と7【コミックス版】
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6と7【コミックス版】

凡乃ヌイス

はーもう泣いた&そう来たか…のラスト*改

ネタバレ
2025年1月11日
このレビューはネタバレを含みます▼ 東京戦慄奇譚で単話を読んだときから、単行本化を熱望していた本作。単話で読んだ時から感じていた、禄斗の明るさとほの暗い七海のギャップが、一層増幅していて、明るい光と暗い闇のコントラストがくっきりした、共依存の美しい物語でした。ネタバレなしで是非
【以下、ネタバレありありです】
本作は、人外の寄生生物だけれども、その自覚のない禄斗視点で物語が始まるのが斬新。彼の無邪気さ、七海を幼馴染と認識して、愛おしく感じている姿、どれをとっても純粋無垢なワンコ攻め。それと裏腹に、人肉を食べ、宿主を支配し、自分だけに目を向けているように仕向ける本能を持つ残酷さのギャップ。
七海が愛していた恋人を失い茫然自失となっていたときに、心の脆弱さを察知して、記憶を読み取って「禄斗」になったロク。けれども、カレは、寂しそうで可哀そうという純粋な動機から自分の機能を使って愛する人の造形を作り、その記憶にあった七海の元恋人(名前は出てこない)の幼馴染だったら良かったのにという願望を希望として読み取り、そう思い込んで七海が元恋人と作りたかったであろう関係を築いたわけで。それによって、七海も救われ、幸せを感じていたのも疑いようのない事実なのです。作中、第1話から想像したよりも、2人がラブラブで明るいシーンが多かったのは救いで。
でも、そんな明るいシーンの裏で七海がロクの食糧を得るためにしていたコトは許されることではなく。いつまでも続くはずはないと思ったら案の定…。が、先生の電子限定描下しを見れば、そのラストも2人にとってはハピエンなのだと分かります。
さて、ラストの解釈は、読み手に委ねられ余白のあるものに。少年の姿のロクが新たな少年を新たな宿主とした…?その意味は…?と考えてしまって。これはBLならではの願望にも似た解釈なのですが、ラスト七海と禄斗は、不完全な者同士、共依存のようになってずっと一緒にいるために生まれ変わると誓ってdiveしたことと、体液授受が必要なら少年同士で出会う必要はないことからすると幼馴染としての再会したのではないでしょうか?突然変異もあり得る種のようなので共に成長する未来もあるのかな…*キリスト教、時刻、数字、先生が散りばめたヒントに解釈の鍵があるかと。レビューを読んで新しい気付きを得る喜びがこの作品にはある。乞う続編
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