１８禁版のジャンル替えとレビュー用語

ネタバレ

2025年5月10日

このレビューはネタバレを含みます▼ 心優しい大学生・人見くんと、お隣さんで気は優しくて力持ちの狼谷が、狼谷が獣人化してしまう「獣化症」を発症したことがきっかけで、それまでの日常生活が一変して始まる大型獣人と小柄な大学生の２人が織りなすラブストーリーの本作。
　１，２巻までは、通常版を購入していたのですが、３巻は１８禁版が同じお値段で同時発売、という僥倖が…！
　躊躇なくオトナの特権を行使して１８禁版をポチッた翌日になっても、BLのランキングにも、レビューのBLコーナーにも、この１８禁版が出てこない。どんな滾ったレビューが上がってくるか楽しみにしていたので「アレ、おかしいな？」と思ったら、アダルトジャンルにジャンル替えになっていて、通常版とは並ばないようになっていたのです。
　「今までBLの１８禁も通常作品と同じランキングだったし、レビューの分類も同じだったのにナゼ…？」と考えるうちに、ゾーニングの問題と理解し、かつBLファンにとっての１８禁版の意味を考えてしまいました。
　本作の魅力は、日頃は真面目で優しい狼谷が、獣化症の発症によって、尋常ではない人見くんへの執着、欲情、独占欲などの本能がむき出しになりつつ理性と葛藤する姿と、そんな狼谷を丸ごと受け入れることを喜びと感じる人見くんの純粋な愛情と、激しすぎるエチシーンのギャップが、ストーリー性を持って描かれているところにあるかと。しかも２巻で人見くんも獣化症を発症してしまい、３巻では人見くんをマイノリティーに引き込んだと考える狼谷が、実は獣化したことで、元々抑え込んでいた自分自身の本性が現れて人見くんを求めていることを自覚して素直になり、激しいエチへの耐性のついた人見くんとのラブシーンなど見所も満載。
　そして通常版と見比べると、改めてぽけろう先生のその部分の描写の素晴らしさに感動するんです。２巻で「凄い裏筋、血管」と人見くんが呟いているシーンでも真っ白だったのが、ぽけろう先生の舌のトーン使いからも分かる、血管、裏筋のリアルさが神！狼谷のには瘤まで…！通常版ではベールに隠れていた、推しキャラの本来の姿を目にすることができて、２人の愛の強さをよりリアルに実感！自分にとってBLの１８禁版の良さってそういうところにあるんだよな、と実感しました💖
　で、ジャンル替えに伴いレビューで使える用語もアダルト化できないかな。ゾーニングしたんだから良くないかい？