ルームメイト
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ルームメイト

佐藤アキヒト

鳥籠の中の小鳥みたいに。

ネタバレ
2025年7月30日
このレビューはネタバレを含みます▼ 脅かさないよう丁寧に、そっと扱わないと逃してしまいそうな、少年たちの繊細な恋。
パブリックスクールの4年生でルームメイトのノアとカイ。格式と伝統のある寄宿学校に通う、裕福な子弟。
品があり優秀で、両者ともビジュアルがめちゃくちゃに良い。その上、問題児と優等生の同室設定。
これはもう、絶対に好きなヤツ…

次巻へ続くからと自分に待てをしていましたが、もっと早く読んでいても良かったかもしれない。
時間を掛けて1巻を味わい、雑誌購入の誘惑と戦い、いっそ負けて買い始めてしまうのも良かったかもしれない。

大人になったら絶対に色気美人確定なノア。俯き加減な、美しい者にしか許されない仕草と髪型(個人の見解)が、どことなく儚さとミステリアスさを醸し出す。
対するカイは、無口で口数が少ない分、視線で語る。

知りたい、頼られたい、自分だけという優越感。
そしてふたりに共通する、特別な存在への期待。
腹を割って、からのシーンは、真っ直ぐさと危うさのバランス加減にやられた。

監督生アレックスが頼りになる上級生として描かれているので、ノアへの接し方など、カイの少年っぽさがより際立っているように感じます。
しかし、カイ・エヴァンス。
彼はきっと一年ごとに目覚ましい成長をみせてくるタイプ。
パンのあれや、浴室でのあれ、触れるほど近い指先も、全部分かっててやってるよね!?
さすが、フォークが転がってもエロいお年頃。

大きなコマでの魅せ方も素敵で、馬まで美しい。
クレー射撃にフェンシングなど、美しい絵で描かれた細かいパブリックスクールぶりがたまりません。
次巻も楽しみにしています!
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