オリバーの心臓【シーモア限定版】
」のレビュー

オリバーの心臓【シーモア限定版】

丸田ザール

神作棚へ。☆5では到底足りない

ネタバレ
2025年8月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ おそらく間違いなく神作。まだ1巻ですがそうなる予感しかしません。

「真実」とは?「学び」とは?「本当の愛」とは?
優しく尊敬する王の愛人として平和の中で生きていた純粋無垢なオリバー
その王を失い敵方の将軍バンドレンに攫われ囲われる日々の中で初めて知る様々な真実。
外の世界を知ることで初めて自分の置かれていた環境がどういう世界だったか、
それを正しく知るためにも学ばなければ。知識を、自分の武器を身に着けよう。
その気づきを与えたのは他でもないバンドレン。彼自身も貴族と奴隷の間に生まれて自分自身の力で将軍にまで上り詰めた男。

冒頭、倒れる王のそばに駆け寄るオリバーを一目見て、電流が走るごとく彼を求めたバンドレン。わたくし彼に膝から崩れ落ちるほど魅了されてしまいました。そしてバンドレンを一瞬で虜にしてしまったオリバーのあの瞳。その目に潤んでる涙が宝石のようできれいで痛々しくもありその透明感と画力にも圧倒されひきこまれます。

自分自身を無価値だと感じていたオリバーに生きる意味を与え、無知なお飾りではなくオリバーをオリバーとして愛するバンドレンと、もともと純粋で素直なオリバーがその言葉をスポンジのように吸収して強くなる決意をしていく場面に涙があふれました。本当にオリバーが美しくて可愛くて愛おしいのです。そんな彼を深く愛して慈しむバンドレンもまた人として気高く美しい。

オリバーのために王の子供を生かしたことで何が待ち受けるのかわかりません。この先のプロットもどう転んでもおかしくないな、と思います。でもここからは無理やりではなく本当に2人が幸せに結ばれることを祈りながら次巻を待ちます!
いいねしたユーザ24人
レビューをシェアしよう!