コッコとのこと
」のレビュー

コッコとのこと

三田六十

涙が出るほど優しいお話

ネタバレ
2025年9月1日
このレビューはネタバレを含みます▼ オススメで表示されて以来、ずっと興味を持っていた作品。丁度セール中だったので滑り込みセーフで購入しました。雄鶏同士の擬人化BLとは面白いお話ですね🐔

養鶏場の孵卵器で生まれた主人公コッコ(養鶏場ではぴよちゃん)。優しい雌鶏のお姉さんたちに囲まれ、自分が雄鶏だと自覚せぬまま育ちます。そんな彼の夢は“卵を産むこと”なのですが…。

可愛らしくて繊細な絵で描かれる、メルヘンチックな物語。しかしながら、ところどころ現実に引き戻されるシーンも少なくない。
コッコがお姉さんたちによって養鶏場から逃がされた理由は、彼が実は雄鶏であり、そのままいれば“お肉にされてしまう”から。
擬人化されているので忘れてしまいがちなんですが、彼らは鶏なんですよね…。逃がされたコッコが天敵に追われながらも、やっと安住の地を見つけられたことにはホッとしました。

そこでイケメンの雄鶏オットと出会うわけですが、何しろ無知で純真無垢なコッコが可愛い。誰にも教えてもらえなかったために、未だに自分は雌鶏で卵を産みたいと願っている。そこに付け入ろうとするオットも、最終的にはコッコの愛らしさにベタ惚れになってしまうのです。

優しくて温かくてじんわり泣けるストーリー。読んでいると心が浄化されていく…😢
私はコッコのようなショタっぽいデザインのキャラは苦手ではあったのですが、このお話にはこのキャラデザでないとしっくり来ませんね。何よりお話が素晴らしかったので、そこは特に気にならずに読めました。

童話のような素敵なお話です。重めの作品を読んだ後は、こちらで癒されることもオススメ。
いいねしたユーザ31人
レビューをシェアしよう!