狐のよすが
」のレビュー

狐のよすが

ミナヅキアキラ

異種族間の温かい愛

ネタバレ
2025年9月7日
このレビューはネタバレを含みます▼ お狐さま大好き&鳥の中では猛禽類が大好きなので、好き要素がいっぱいだ~と飛びついた作品🦊🦅

なのですが…。まず作品のあらすじを読み、「お腹の中でずっと一緒」という一文でこれは地雷!と思ってしまったのです。“大事な人の一部になる”には、つまり相手に命を差し出すということ。そういった考えは相容れないぞと。
しかし、そこでちょっと待てと。このお話の登場人物はあくまでも自然界に生きる動物たちであり、人間ではない。人間の道理など当てはまらない、弱肉強食の世界に生きている者たちだった。それをようやく思い出した私(←早とちりのバカ者)。
危うく変な思い違いをしそうになっていました、すみません…😣早速手に取らせていただきました。
狐の九重と、雛鳥の頃から“食いもん”として彼に育てられた鷹の子・よすがのお話です。

まずこの作者様の絵は惚れ惚れするほど美しいですね。登場人物はみな擬人化された動物たちですが、それぞれの特徴をよく捉えてデザインされているし、衣装も素敵。

そして本題である異種族間の愛。同じようなテーマの作品は他にも読んだことがありますが、やはり一筋縄ではいかない。
しかしながら、九重とよすがの絆は何よりも固いものでした。あらすじの印象からメリバとかだったら切ないなぁと思いつつ読んでいたので、ホッとして泣けてきた…😢

人間のそれとは異なった、自然界で生きる者たちの愛と理。美麗な筆致で描かれる作画とストーリーが素晴らしかったです。
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