HOUSE
」のレビュー

HOUSE

奥田枠

圧巻!!!

ネタバレ
2025年10月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 朝一で新刊のお知らせが目に入って速攻購入。夜にゆっくり読もうと思いましたが我慢できず職場で昼休みに一気読みしてしまった・・・上下巻分かれてるのがとても効いてるけれど一気読み不可避です。

以下完全ネタバレなしでお伝えする技量がないのがもどかしいですが、できればネタバレなしで作品をお読みいただきたい!!

内容は違いますが『Kの支配者』の雰囲気、主従の流れをくむ短編。
かなりDEEPな主従BLです。インモラルの極み。商業なのに振り切っておられます。
もう作品全体が地雷の宝庫、地雷という言葉がもはや意味をなさない様相だけどやはりそこは奥田先生!単にインモラルなだけではないので、さすがとしかいいようがないのです。

人間の支配欲、被支配欲の際限のなさにクラクラします。一度歯車がかみ合ってしまえば誰にも止められない。
抗えない行為のその奥に潜む深層心理はなんなのか?軽々と一線を越えてしまう理由は抑えきれない欲ゆえか、愛ゆえか。

龍蔵の鬼気迫る圧倒的強者感がすさまじく生物としての頂点に立つ雄を感じます。
そしてあぁ龍彦・・・私の頭の中は龍彦でいっぱい。何をしてもどこか品を失わない不思議。
無駄なプロットが一つもないうえに思考の余白がある分、もう深読みしだしたら自分勝手な妄想と考察がとまりません。

タイトルが「HOUSE」なのもなんかすごい。
家庭を匂わせない”お屋敷”という雰囲気がありながら、もはや人が帰るための場所というより犬のしつけとかに使うほうの意味かな、とも思えてしまう。闇も地雷も突き抜ければ光が見える。人間ってすごい。そんなBLでした。先生と編集の方々へ尊敬と感謝を!!
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