甘い声でStayなんて言うんじゃねぇ!【単行本版】
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甘い声でStayなんて言うんじゃねぇ!【単行本版】

ぽぽたぱぽた

同じ限界社畜として共感と憧憬と

ネタバレ
2025年10月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 作品紹介の「限界社畜」の言葉に同類として引き寄せられ、試し読みしたら、いかにも限界社畜勢の高梨が、Subであることを徹底的に拒んでいる姿に胸を掴まれて手にした本作。
 だってもし自分がDomSubユニバースの住人だったら、同じように考えそうだなって思っちゃうから。
 頭の中で、二次創作の世界で作られた設定だし、とうっすら浮かんでしまい、ハマれる作品が少ないのですが、自分と同類の高梨の行く末が気になっちゃって。

 読んで見ると、高梨が限界社畜らしく、自分のケアは最小限にして、仕事に全振りして生きてきた中で、なぜかイケメン社長の大月に介抱されて、すっかり癒されてしまう…かと思うと、Sub嫌いとしての理性が顔を出して普段の自分を取り戻そうとしては、再び大月に出会って…という展開なんだけど、今まで自分をケアしてこなかったものだから、もう大月からコマンドを告げられた時のウブな反応と、日頃の限界社畜ぶりのギャップが凄くて、大笑い。おまけに顔芸も凄い(笑)。
 ただ、この高梨が、日頃はもうギリギリのところで生きてきて、他人に甘えるなんて発想すらないタイプなのに、大月のコマンドに抵抗できずに従った時の幸せそうな表情が輝いていて。そういえば、他人にうまく甘えることのできなかった自分を振り返ると、こんな風に本能で甘えざるを得なくて、おまけに多幸感を感じられるなんて、DomSubユニバース界、ちょっと羨ましいかも、と初めてその世界観を自然に受け入れられたんです。
 時々ちっちゃくなっちゃう高梨。案外お人よしで、根が素直な高梨。だけども、限界社畜だから、自分が愛される感覚が分からない高梨…あれ、けっこう高梨、おもしろいキャラだな?と、読み進めるにつれて高まる好感度も良きなのです。

 対する攻めの大月も、ナイスガイ。結構考えていることが表情に出て頬を赤らめるところも可愛いし、セレブなのに嫌味なところもないなんて。以前高梨に出会ったことがあるらしいけれども、その出会いと、高梨を好きになったきっかけは第1巻ではおあずけに。
 そう、この作品、まだ完結していなんですよ~😢
 正直、絵はまだ粗削りなところもあるし、コマ展開もスムーズじゃないところもあったりする。
 好みが合う、合わないはあると思うのだけど、キャラのユニークさ、ラブコメらしい勢いある展開を買いたい作品デス😉
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