ここからは、恋愛系の名言をいくつかご紹介します。

太一目当てでかるた部に入部した新一年生・花野菫。自分の恋心と入部の動機が太一にばれてしまい、菫は恥ずかしくなって逃げてしまいます。その時にかなちゃん（大江奏）が菫を追いかけて言ったセリフです。

百人一首や日本文化の美しさを愛するかなちゃんにとって、あからさまな恋心だけで動く菫は、あまり理解のできない存在でした。しかし、恋心や打算的な入部動機を知られ「恥ずかしい」と泣く菫に、「その心は美しい」とかなちゃんは言います。

女性同士だからこそ理解できる、恋心の機微。そして、この名言は次にご紹介する名言ともつながります。
★「ちはやふる」9巻に掲載

千早を好きな太一の気持ちを知りつつ、菫が太一に告白するシーンから。菫の恋心の真剣さ、そして何よりそのキラキラした美しさが伝わってきます。「大好きです」の後に、「先輩も好きな人に好きって言ってください」だなんて、薫の健気さに泣けてきます……。

校舎の窓から告白する姿も、言った後の笑顔も、そして最後にしゃがみ込み隠れて泣く姿も、本当にキラキラしています。

★「ちはやふる」26巻に掲載

最後は、名人・クイーン戦東予選大会での原田先生のモノローグから。名人・クイーン戦予選は、大人から子どもまでA級以上の実力さえあれば誰もが参加できます。その中には、原田先生のように何十年をかるたに懸けてきた選手もいれば、子育て中の女性選手もいます。

千早、新、太一といった若い選手だけが主役じゃない、大人だってみんな名人やクイーンになろうと戦っている！自分が主人公の物語を生きている！というメッセージのこもった熱い名言です。
この言葉は、脇役の一人ひとりに至るまで魅力的な『ちはやふる』の裏テーマと言ってもいい一言ではないでしょうか。
★「ちはやふる」35巻に掲載