ARUKU先生の代表作。いろいろと凄まじいです。
世に出ている多くの商業BL作品の中でも、最果ての。
超ヘビー級BL。
初めて読んだときは衝撃でした。
序盤から相当えげつない展開で、容赦なく虐げられる性描写にゴリゴリと心が削られていく。
絵も、物語も、登場人物も。読者の息の根を止める勢いで読み手の心を抉ってくる。
重くて辛くてしんどくて、これ以上もう読めないと思いながらも、続きが気になってやめられない。
読み切ったあとのカタルシスもすごかった。冒頭からは想像もできないようなラストに、読後しばらく呆然とした。
この作品、テーマは「心の破壊」ではないかなと思う。
受も攻も心が徹底的に破壊される。良くも悪くも。
恋に狂い心が完全に破壊されたあと、二人ともなぜか人間らしくなっている不思議……
「面白かった!」「すごくよかった!」のような明快な言葉では言い表せない、人間の業の深さを垣間見る。
凄絶でロマンティックな、愛の地獄―― 何度読み返してもすごい作品だなと思う。
私がBLを読み始めて間もない頃に読み、BLという沼に完全にハマるきっかけになった作品。
この作品でちょうど300件目のレビュー。
なので自分にとってちょっと特別な作品にしてみました