女性編集者との戯れを元に作品を書いてきた官能小説家が、新しくやってきた男性の担当編集者にも同じように迫り、予想外にそれを受け入れられたことから始まるお話。
とにかく丸富がエロエロです。寝癖をつけたどんぐり眼の真面目な文学青年は、一皮剥いたらこんなにもエロくなれるのかとビックリしました。いくら作家先生の小説が好きだから、読みたいからといっても、ここまで抵抗なく出来る人もいないし、そこであんな風に開花してしまう人もなかなかいないのではというくらい、普段とのギャップがすごいです。
別名義でも文体で同一人物だと気付いたり、本の内容は良く分からないけどだからこそ何回も読みたくなるなどは、まさに正統派文学少年。一種の性癖にすら思えました。作家先生が少々拗らせ系なので、これぐらい深い愛情を自分に向けてくれる丸富は安心感を得られる相手なのだと思いました。
それでも、散々えちなことをした後の「原稿を…
」という賢者モード全開のセリフが毎度面白かったです。小説に嫉妬してしまうほどの真面目さが何よりも彼の性格を表していて、ブレない愛に一途さを感じることが出来る作品です。