ネタバレ・感想あり捨て猫たちのトーチカのレビュー

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重いけど納得の結末
ネタバレ
2025年2月10日
このレビューはネタバレを含みます▼ スピン元を読んだとき、果たして彼はどうなるのか気になってました。佐波さんもくせ者だし、どうなっていくのかなって。これを読んで思ったのは、罪の重さって本人だけじゃなく、周りや他人、一人一人の感じ方が違うんだなって。それが当たり前かもだけど、私も佐波さんと同じくらいの感覚だった気がします。裏の仕事なら復帰してもいいのかなって。でももっと重かった。重いと捉える人が多かった。佐波さんの気持ちの変化も、過去のことがあって、今があって、ちゃんと自分と向き合って出した答えが……。お互い依存関係にあるのかもだけど、そこに愛があるのとないのとでは全然違うし、2人とも愛を知って、穏やかな表情になれる瞬間があるのは良かった。この先、不安を抱えながら生きていかなきゃなのは変わらないけれど、支え合う相手がいて、大事にしたい人がいて、生きるのも最後も一緒にと思える相手と過ごす時間が少しでも長く続くようにと思います。とても素敵な救済でした。
良かったです
2024年12月26日
あとがきでスピンオフだと知りました。でも、元のお話を知らなくても全然大丈夫です。罪の内容が全く許せないとしても、その人が生きていくことまで否定してはやっぱりダメだよね。人を愛する深さを噛みしめた一冊でした。迷ったけど買って良かった。
スピンオフ
2024年12月22日
本作主役の過去の罪はめっちゃひどい事だけど更生して反省してても社会は厳しすぎる。プロデューサーの宋一さんに飼われるわけで。本編はすっごく嫌な奴だったけどこの作品の方が私は好きです。
いいね
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スピンオフ…
ネタバレ
2024年12月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ だと、皆様のレビューを見て知りましたが、全く問題なく読みました。最初は攻めの歪んだ愛だと思いましたが、お互いが救われて、絆されて、あの部屋で一生終えるのかと思いましたが、最後は2人でちゃんと家族になれて良かったです。本当、よかった!
スピンオフ
ネタバレ
2024年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 本編の作品を読んで、スピンオフないのかなぁって思ってたんです。初めは隼人のことを自分に忠順な猫にして、自分無しでは生きられないようにしてやるって、凄く嫌な奴だったのですが、一緒に生活するうちに気持ちが変化していく様子が伝わってきました。まだまだ世間の目は気になるけど、2人は強い絆で結ばれて長生きしてもらいたい。
星4、5
2024年10月15日
すごく重いけれど面白かった。居場所を失って何もかも無くした隼人が、自分の犯した罪を自覚し、本当に悔いて立ち直っていく姿がとてもよかったです。佐波さんって、ほんとはいい人なんですね。、、、隼人限定でかな。佐波さん、隼人のために全てを捨てたようなものです。2人出会えてよかった、運命の2人ですね。
猫になっていいか
2024年9月30日
受けはダメダメな感じだけどエロい
攻めはちょっと歳いったおじさんだけど慣れた感じがいい
話の流れもスムーズで最高
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共依存最高‥!
ネタバレ
2024年7月2日
このレビューはネタバレを含みます▼ すごい惹かれる設定だな〜と思って読んでたらオレ誓のスピンオフだったことが分かりめちゃめちゃテンションが上がりました。オレ誓では当て馬だった隼人ですが、佐波さんに拾われてお互いどんどん共依存関係になっていくのが最高でした。決して許されない罪を犯した隼人ですがその罪を一緒に背負うと言って一緒に生きてくれる展開に胸が締め付けられました。ほんと2人で末長く健康に生きてほしいです。あと猫のシロが終始可愛いのもオススメです。
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最適な救済
ネタバレ
2024年4月26日
このレビューはネタバレを含みます▼ さっつ先生の作品はほぼほぼ追っているのですが、
その中でもこの作品のスピンオフ元の「オレを守ると誓ってよ」は、珍しく嫌な奴が出て来る作品で、
私のさっつコレクションの中では読み返す頻度は低いほうでした。
そのため、このスピンオフ作品が出ても、「うわっ、隼人(唯一の嫌な奴)がメインか!」と、しばらく購入をためらっていましたが、
やはりコレクターとしては買わずにはいられず。

買って良かった!
さっつ先生のあとがきに全てが集約されていました。

※※ 本当は作品を味わってから このあとがきを読んで浸って欲しいので、買って読んでくれー!!※※

「隼人にも救済を。でも犯した罪をなあなあにして幸せにする事は出来ない。これから先も不安を抱えながら生きていくけれど、一緒に背負ってくれる存在が出来たので、彼らなりの幸せを拾い集めながら生きていく」。
この文章も素晴らしすぎますが、本当にこの通りのことが きっちりと、自然に描かれていました。
読んで色んな感情がグルグルしていた私の頭の中も胸の中もストンとスッキリ整理されて、まさに「腑に落ちた」。最高の読後感です。

自業自得とはいえ全てを喪失して生気を失った目をしていた隼人が、佐波に「飼われ」たのを見て、あ~佐波に依存させられていくのか~、自分しか味方が居ないと摺り込んで軟禁状態にするなんてDV男の手法やんけ~~ と思っていたら、
隼人くんは良い感じに顔つきが優しくなっていくし、佐波さんも少しずつ扱いが優しくなっていくし、時間も経過してこのまま良い感じにまとまるのかと思ったタイミングで
隼人にひと山ありました。被害者(未遂だけど)の立場を経験し、自分の犯した罪の重さを痛感するシーンは、痛々しくもあり、でも きちんと禊をするという意味では大事な局面でした。

そしてラストで2人で心機一転、新しい生活を始めたところで、心の底から「良かったね、幸せになって」と思うことが出来ました。隼人に対してこんなにも穏やかな幸せを願うことが出来るとは。(そして黒髪隼人、すっごいカッコイイ!)

極めつけは描き下ろし。
何とも言えない、日常の中に愛が溢れていて、かつ不変のテーマとも言えるエピソードで、最高のエンディングでした。

「オレを守ると誓ってよ」も、「自分が安心出来る居場所」がテーマで共通してます。「捨て猫たちのトーチカ」まで読んで完結!って感じです!
現実的
2024年4月23日
スピンオフ元を読んでいませんが問題なく読めました。隼人の罪を軽く流さず、犯したことの重さがそのままのしかかります。それでも2人で乗り越えて強くなっていくところがいいです!あと裸がめちゃくちゃ上手い!
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スピンオフ
2024年4月22日
スピン元のお話も良かったけど、こちらも良かったー!救済物語ですね。碓氷くんの顔つきがすごく変わっていって、安心しました。素敵なお話でした。
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救済物語かな
2024年3月10日
スピン元は未読ですが、全然大丈夫です。木田先生はほのぼの系のお話のイメージだったので、今回のやや暗めなストーリーは驚き。でも最後はやっぱり心が温まるお話で、良かったです。
シリーズの中で1番すきなスピンオフ
ネタバレ
2024年3月8日
このレビューはネタバレを含みます▼ 隼人の弱さ、脆さ、狡さを知っていてもなお、救ってあげたいと思っていたから、最高のスピンオフをありがとうございます。傷つけてきた分の罪を深く認識してくれた描写があって良かった。カナンの痛みを知る事も望んでいたので。
隼人の居場所を失う恐怖が想像以上で、破滅願望が芽生えてしまうの更に納得した。クスリに逃げた事も迷わず後を追う選択もなるほどって。孤独を知ってる隼人に手を差し伸べてくれたの佐波さんで良かった。
佐波さんもどこか壊れていて自己犠牲にしてまで愛する気持ちを知らずに生きていて。サイボーグみたいな佐波さんが築き上げた仕事を捨ててまで愛に生きるのが好き。
捨て猫たちを救ったつもりで自分が救われてる。
エゴイストで歪な愛し方しか出来なかった2人が、愛を知り人生をちゃんと生きる…最高のスピンオフ。
立て籠ったトーチカからの脱出劇
ネタバレ
2024年1月29日
このレビューはネタバレを含みます▼ 『オレを守ると誓ってよ』のスピンオフ。俳優の碓氷隼人はドラッグと共演者(カナン)へのレ◯プ未遂事件を起こして執行猶予判決を受けます。事務所からも解雇されて行く宛てもなく、自死が頭をよぎったところをTV局のプロデューサーの佐波宗一に拾われます。大切なものを全部失くして世間からも捨てられた美人な野良猫を飼ってみたいと言われて、隼人は部屋から一歩も出ないという条件の下、佐波と暮らし始めます。何をしても逃げない自分好みの人間を飼うのが性に合っていると言い切る佐波は、高校の演劇部で隼人が真剣に取り組んだ脚本を見つけます。佐波は自分の担当する番組の短い再現ドラマの脚本を隼人に書かせ好評を得ますが、隼人のかつての同級生が気付き、SNSをきっかけにスポンサーからのクレームがついて降板を余儀なくされてしまいます。佐波の元を飛び出した隼人は改めて自分の犯した罪の重さを思い知るのでした。視聴率の為に人の心も結婚生活もスパスパ切ってきた佐波が二匹の野良猫を迎え入れて家族となります。スピン元と全く雰囲気の異なる作品ですが、モーゼとカナンもちらりと登場しています。
良いスピンオフ。2巻の裏で起こってた事
ネタバレ
2024年1月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「オレを守ると誓ってよ」のスピンオフ。あーこれは描かれてありがたい。「オレを〜」の余韻でハッピー甘々を想像してたとしたら、ひっくり返される苦味が心地よくて、私はトーチカの方が好きだわ。「オレを守る〜」の2巻の裏で何が起こっていたか、なんならメインよりも目立ってたCPなのに消化不良だったのがこのスピンオフで説明されてます。ふたりで共にいればよいっていう閉じた世界になるラストも潔いし、黒髪も好きよ。。
猫を拾う人に悪い人はいない
2024年1月13日
美人系俳優の碓氷と、プロデューサー佐波のお話。
「オレを守ると誓ってよ」のスピンオフらしい。
先生の最後のあとがき(字が綺麗!)で気付いた。
知らずに読んでしまったが、あまり問題はなかった。

不穏な始まりから闇系のストーリーと思っていたが。
だんだんと閉ざされた部屋に光が指していくような展開で、読んでいて嬉しくなってしまった。
猫好きなので、脇役のシロも癒やし。
だいたい捨て猫を拾う人に悪い人はいないのだな。

2人ともガッシリ体型なので、致すシーンは結構な迫力があった。
白抜きの修正なので真実はわからないが、なかなかのサイズ。
思ってた以上に良い
2023年11月22日
このお話はスピン元読んでからの方が楽しめるかなと思います。リンクしてるところが所々あるので。そして内容ですが、なんと重く深いか…。終わり方がすごく好きです。綺麗事はなく、一番あり得そうな無理やりのハピエンじゃないハピエン。2人の未来に幸あれ泣
大好きな作品です。
ネタバレ
2023年11月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ この作品がスピンオフと知り、スピンオフ元の作品を読んでからしっかり楽しませて頂きました。個人的にはこちらのcpのお話が好きです。隼人の犯した罪はとても重いし、とても許されたものではない。けれど佐波さんとの出会いで少しずつ変わっていく。佐波さん自身も隼人との出会いで変わっていって、最終的にはお互いが共依存っぽくなっててハッピーエンド。2人が少しでも長く生きられますように…
シロいい子!
2023年11月1日
重めですが後味は良いです。
スピン元を読んでいないのでこの辺つながるのだろうなと感じるのでいずれ読むつもりです。
最初はあまりに胡散臭い攻めとぼろぼろになっていた受けですが時間をかけて変化していいくのがいいですね。
それとシロいい子だね。
二人がえっちしている時も邪魔しない。
でも近くにいる。
すっかり家族のようになって安心しました。
良い!
2023年10月31日
スピンオフ作品ですがこっちの方が好きです。本編の時から気になってた2人だったので続きを読めて嬉しかったし、期待していた以上に良かったです。
えっ?めっちゃよかった!
ネタバレ
2023年10月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 元のお話知りませんが、光があったら闇もありですよ。こちらは闇サイドかと、、、
めっちゃ明るい未来!って終わりでもないけど、じんわりきます。

部屋の中、飼い主と飼い猫っていう狭い世界での依存からのはじまりできずきあげる関係が唯一無二なものに変わる感じがよかった〜
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素敵なお話だぁぁぁぁぁ!!!!
2023年10月23日
やっと買えました!
読めて良かった〜試し読みでは満足出来なかったので給料日に急いで買いました!
書店では置いていないお店が多かったのでシーモアさんに感謝しかないです!
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「オレを守ると誓ってよ」スピンオフ
ネタバレ
2023年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「オレを守ると誓ってよ」スピンオフ、食えない敏腕プロデューサー・佐波×居場所を失くした元俳優・隼人のスピンオフ。「more!」の少し前、薬とカナンへの性的暴行で芸能界から追放された隼人が、佐波に拾われ飼い猫になるところからスタート。本編では同情できなくもないけど憎い男だった隼人だけど、隼人目線だと哀れで惨めで思ったよりきつかった。人気商売ってほんとメンタル強くないと厳しいね。佐波に拾われても死んだように生きる隼人が、少しずつ癒され小さな希望を持って、新たな道を見つけたかと思われた矢先にそれを奪われて。でも自業自得なんだよなあ…。不要なものは容赦なく切り捨てて損得勘定で生きてきた佐波の決断に、驚いたけど泣けた。許されない罪を犯したけれど、心から悔いた隼人が唯一手にできた愛を大切にして欲しい。重いテーマだけど、メリバ一歩手前の優しい結末でほっとしました。
木田先生的異色作
ネタバレ
2023年10月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ たしかに他の方のおっしゃるように、いつもの甘々とは違いますが、良い!
オレを守ると誓ってよmore!のスピンオフで元もストーリーは隼人のせいでちょっとしんどいシーンもあるけど、カップル自体は甘々なのでまだ明るさはあるのが、今回は共依存…。拠り所がなくて求め合う二人、けど、最後は思い合っている姿が見れてヨカッタ。
あとがきにもあるように、犯した罪をなぁなぁにしたままハピエンには出来ないので、辛い思いもするけど先生の落とし所が絶妙だな〜と思いました。ゴメンって謝ってスッキリするのは加害者だけなので、「こんなに怖い目に遭わせたんだ」と反省して、それでそれを伝える機会がないままなのが、それもまた罰だよな…と。ほんと、ストーリーもエロも最高とか…次回作も楽しみです!
こっちの方が
2023年10月17日
オレを守る〜も面白かったけど、あんまりカナンが好きにはなれなく、隼人の方が気になったので、こっちの方が好き。
骨太なヒューマンドラマ
2023年10月17日
重大な罪を犯し芸能界を追放された元俳優と、敏腕テレビプロデューサーの物語――。

うわ~この作品、すっごく良かった。ここ最近読んだ中では一番好きかも。
「オレを守ると誓ってよ」のスピンオフ…ですが、いきなりこの作品から読んでも多分問題なく読めると思います。
なぜだろう、スピン元はあまりハマらなかったけれど(読むタイミングが悪かった?)、この作品はすごく好きでした。

実はこの作品、pix◯vで4話まで読んでいます。
4話まで読んだところで、この作品はまとまってから購入しようと思いました。
すごくストーリー展開が上手くて面白い。
いろいろと危うい二人…物語の続きが気になって、どんどんこの世界の中に引き込まれる。

とりかえしのつかない後悔と、懺悔と、救済の物語。
読み終わってみると、こんなにずしっと胸に残るBLは久しぶり。。

描き下ろしがすごくよかった。二人の性格がよく出てる。
その刹那の 激しく重い感情に思わず涙が出た。
幸せなのだけど…そのすぐ隣に横たわる、 痛みと苦味がすごく好きでした。

しっかり読み応えのある、骨太なヒューマンドラマ。
ストーリー重視の人にオススメです
深いし重い…でも読後感はとても良いのです
ネタバレ
2023年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「オレを守ると誓ってよ」のスピンオフです。スピン元を読まずともストーリーは分かりますが、是非ともスピン元を読んでからこの作品を読んで欲しいです。テイストの違いの振り幅に驚きます。そしてあの言動の意味、罪の大きさ、闇の深さがよく理解でき、より心に沁みると思います。
スピン元で良いところが一つもなかった隼人と、心中読めないクセモノ感満載の佐波さんのスピンオフ。どうなるの???さっつ先生!?と一瞬でも心配したことを誠心誠意お詫びしたいと思います。
隼人の犯した罪は一生消える事はなく、一生その罪を背負って生きていかなければならない。しかし自分の罪を認め、被害者の苦しみを理解し、心から反省と謝罪の気持ちを持てたのならば、私は隼人も救済されて良いはずだと思いました。納得の行く形でラストを迎えられた事がすごく良かった。きっと手放しでハッピーエンドだと言えるラストではないです。罪が消えた訳ではないから。これからも罪と不安を背負い続けるから。でも一緒に罪を背負ってくれる人が、一番安らげる場所がいつも隣にいてくれるなら、これが隼人にとっての最善のハッピーエンドなのだろうと思います。そして佐波さんにとっても、価値観を根底から覆すほどの、「お前が死んだらオレも死ぬ」と言えるほどの大切な相手(隼人)に出会えたことが救済となっているのだと思います。
深かったし重たかった……。でも不思議と読後感はとても良いのです。読んで本当に良かった。
秋の夜長に心からオススメしたい、素敵な作品でした。
凄く良かったけど、メリバかな?
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 凄く面白かったです。ただ、主人公たちがいろいろ諦めたり、過去を隠して生きていくのがやっぱり世界の厳しさというか、なんというかを感じましたね………
スピンオフ
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 新刊作者買いです!
ちょうどスピン元の『オレを守ると誓ってよ』を読んだ直後だったので、スピンオフが発売されて速攻買いました。

前作でカナンの元セ フレで、収録中にカナンをレ イプして芸能界から姿を消した碓氷隼人が今作の主人公。今作からでも読めますが、事件については前作を読んだ方が理解が深いと思います。
テレビ局のプロデューサー・佐波×元俳優・碓氷隼人。
街で捨て猫のような状態の隼人を拾い、部屋で飼うことにした佐波。
歪な関係ですが、お互いがお互いを必要とし、再出発するストーリーです。
佐波の、普通のいい人に見えて、隼人を部屋で飼うという異常な行動をしているところにゾクっとしました。この人も、闇を抱えてるんだなと。
実は奥さんに捨てられ離婚した身。
隼人はわかりやすくどん底で、世間の批判を浴びて唯一の味方が佐波になったので、それに縋りたい気持ちはすごくよくわかる。
1歩踏み出したと思っても、世間の目はそこまで甘くないのも事実で。またどん底に落ちて逃げ出して。
でもちゃんとそこに愛があって、一緒にいる理由があって、壊れた心をあたたかく包んでくれるから、もう涙が止まらなくて。
タイトルも秀逸だなぁと思いました。トーチカって、攻撃から兵士が身を隠し、撃たれないように銃先だけ出して人を撃っていく拠点のこと。
捨て猫の2人が、中でまた世間に出ていくために身を隠してタイミングを見計らっているんだなと連想できて面白かったです。
過去に犯した犯罪は消えることはないけど、罪を犯した人もまた普通に生活する権利はあると思います。2人で荒波の中でもしっかり生きてほしいです。
人生のやり直し
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ スピンオフ元の時もそうですが、始まりは前作今作共に「犯罪者の再出発」です。
前作は攻めのモーゼこと猛瀬正臣が、今作は前回攻めだった隼人(今作では受け)。両者ともに前科持ちです。

日本は世界でも稀に見る非武力所持国で、犯罪率も世界に比べると低いし薬物汚染件数も少ない。
だからですかね。
罪を犯した人が法によって裁かれ、罪を刑罰により洗われても、社会が裁かれた人を安易には受け入れ難く、働き口も滅多にないからこそ部屋も借りれず、孤独となり再び犯罪を犯してしまう。支援施設というものもありますがまだまだ数が少なく。
気持ちはわかります。言い知れぬ不安や恐怖が有りすよね。中には本当に救いがない人だって居るのも承知してます。暴力、薬物…傷害有無にかかわらず犯罪は恐怖そのもの。
ですが、私には被害者であったのに脅され加害者になってしまった親戚が居るので、前作今作を見て思うところがあり、まず冒頭、書かせていただいたのですが…何を申し上げたいかと言うと「本当に罪を悔い、取り返しのつかない過去を一生背負いながらも正しく再起を図ろうとする人間に、ほんの少しでも良いから優しい社会になって欲しい」と思います。それを大前提として書きます。

人が転ぶ切っ掛けなんて些細な事と同じで、まともな思考が働かない中、踏ん張れるか踏ん張れないかは人それぞれでも、それに「環境が絡んだ避けきれない事態」が発生した場合、正しく実行する!と言い切る反面、本当に自分は果たして正しく在れるのか?とたまに思うのですが、隼人の場合は「成りたくて成りたくて仕方がなかった仕事」の中で「需要と供給の問題」や「本気になってしまったセ◯レ」が絡み最悪の形で自滅した流れですが…いやもう、本当に佐波さんはよく拾ってくれたな、と思います。立場的にも匿うのは非常にリスキーな中。最初は絶対裏がある!と思ったんですが…無意識に残ってた、あとからやってきた愛しさに、お互いが認め合って唯一無二となってく展開に胸が熱くなりました。
作中、前作よりも綺麗事じゃない、非常に現実的な出来事の数々に本当に彼らを応援したくなる。が、コレは隼人や佐波さんの主観が「見える」からで。社会が受け入れてくれる終わりで良かったと思う反面、冒頭の通り、現実でも、再起を願い居場所を求める者に少しでも優しい社会になればな…と思いました。

2人で罰を別けながら、お幸せに。
重いけどしんどくなかった
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 重いお話でしたけど、納得出来る終わり方で本当によかった。
お互い、死んだら後を追うまで考えてしまう愛は共依存なのかもしれないけれど、この二人はそうやってしか生きられないのだろうと思うと、胸が痛くなりました。
でも男二人、体さえ健康ならどこででも生きていけるでしょう。
世間から逐われる事があってもどうか二人強く生きて行って欲しい。
ただひとつ、先のアイドルへの暴行がどういう状況だったのかぼかしてあるので妥当かどうかはっきり言えないけど、隼人はあの売人たちからレ○プされてしまってもしょうがなかったんじゃないかと思ってしまいました。
アイドルとはレ○プとも言えないようなものだったら隼人が可哀想ですけどね。
ナイス救済
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「オレを守ると誓ってよ」が大好きなのでスピンオフの今作品もすごく味わって読みました。攻めの宗一さんにしても、受けの隼人にしても、100%真っ白な人、真っ黒な人なんていないよなと思わせてくれるキャラクターでした。あと、隼人がちゃんと自分がやってしまった罪の重さに気付けて良かった。犯罪まではいかなくても、自分も間違う事は大なり小なりあるし、逆にやられたなと傷つく場面もある中で、どう自分の身も心も置こうかなと迷う時に思い出したくなる言葉が沢山あって、読めて本当良かったな〜と思いました。
それぞれの救済
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「オレを守ると誓ってよ」では結構嫌な感じのポジションだった2人。隼人に関しては犯罪者になってしまっています。そこにフォーカスを当てるなんて思い切ったなぁと思いましたが、私は前作より好きかも。最後はハピエンなのですがちゃんと許されていないし、過去を背負って生きて行くことの辛さも含まれています。プロデューサーの佐波さんの方も仕事にしか興味無く、若い子を食い物にしそうな感じがする嫌な印象でしたが隼人を囲うことで最後は人間味のあるスパダリになってます。重い出だしでハードな場面も多々ありますが、倫理観のしっかりしている良い作品だと思います。もちろんBLなのでちゃんと甘い場面も多く、飼ってる猫ちゃんが空気を柔らかくしてくれるし、2人の世界は最高に幸せなので読んでる方も救われました。
捨て猫「たち」
ネタバレ
2023年10月16日
このレビューはネタバレを含みます▼ 「俺を守ると誓ってよ」のスピンオフ。フルールのサイトで読んでいました。コミックスになったので購入。待ってた!
当て馬だった隼人と、ちょいちょい声をかけてきた敏腕Pの佐波のお話。「俺を守る」は陽のあたる話で、溺愛らぶらぶで好きでしたが、こちらはかなりダークで陽の当たらないお話。隼人が犯した罪は薬物だけではない。ボロボロになった隼人と「飼い猫」にするため拾った佐波。同じく拾った仔猫のシロ。最初はこの2人?が「捨て猫」なのかなと思ったけど、佐波もまた捨てられた側。仕事中心で利にならなければ切り捨てる佐波は、ただ一緒にいてくれるだけでいい隼人を囲った。佐波にとっては画期的な行動。家族は持てないと思ったが、中心だった仕事を捨てるくらい、隼人に寄り添うことを選んだ。共依存的に見えなくはないが、もう傷つけたり縛りつける気持ちはなく、単なる居場所や猫扱いから恋人、家族に昇格した2人に。そこに互いを気にかける愛が存在した。隼人も佐波もシロも、捨て猫で寂しかったが安らげる安全な場所、トーチカとなった。2人は救われたんだな。一緒に背負ってもくれる。木田先生のお話は柔らかく優しいものが多いけど、こちらは大分毛色が違うと思う。だけど、好きだなあ。互いの命をかけるほどの必要性と愛。いい作品でした。
ダーク…
2023年10月16日
作者買いです。あれ…?なんか今回ダークだ……一応ハピエンだけどカテゴリーは闇BLかなぁ。
「オレを守ると誓ってよ」のスピンオフですが、読み終わるまで全然気づきませんでした。
作者様のあとがきで知りました。
オレ守ると〜を読み直したけど、今作は隼人の雰囲気かなりマイルドになってるかも。本編はもっと尖ってます。未読でも全然問題はないですが、読んだ後の方が、あーなるほどってなりますね。
ダークだけどこれはこれで面白かったです。共依存的な…?
作者様の作品は好みなのですが、いつもみたいなラブラブハッピーな感じの方がやっぱり好きかな!
でも面白かったですよ。特に描き下ろしと、カバー下?の漫画が良かった。
2回読むと更に良さが分かりました。二人と一匹、長生きしてください。
罪は罪。でも救いがあっていいじゃない?
2023年10月16日
「オレを守ると誓ってよ」のスピンオフです。
是非、元作品から読まれることをお勧めします。
犯した罪をゼロにすることはできません。
うやむやにすることなく突き詰めたうえで、その先にあるものが描かれていると思います。
展開はなかなか厳しいですが、読後感は良いですよ。
愛が人を救うと信じて止まない方にお勧めします。
良かった
2024年4月21日
歪んだ感じの関係から始まった二人ですが、お互いに必要な存在になって行く過程が良かったです。
最後は心があったかくなる気持ちで読み終わりました!
エチシーンも見応えありましたょ。
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よかった
ネタバレ
2024年1月20日
このレビューはネタバレを含みます▼ 重めのテーマだった。演技に憧れて、この世界に入れて、このまま夢が叶うはずだったのに、何を間違ったのか、全てを失った。なんで薬に手を出したんだろう。薬に手を出したから恋人ともうまくいかなくなり、事件を起こしてしまったような気がする。そして犯罪者になって、何もかも失って死のうと思った。そこに現れた顔見知りのプロデューサー。初めはネタのためだったのかなぁ。それでも一緒に居るうちに情が湧いて、愛情になって、この子のために今の地位や仕事を捨てた。田舎に引っ越して、穏やかに幸せに過ごすために。お互いがお互いを必要としてて、この子のために長生きしようと思えるまでになった。最後はハッピーエンドだね。ハヤトに幸せになってほしい。
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わりと重い…
2023年10月18日
思ってた以上にヘビーな内容で犯してしまった罪は償いようもないくらい酷いけど、いざ主人公になってしまうとちょっと同情もしてしまいますね…。待っているのは、回復しては堕ち、堕ちては回復しての繰り返しの人生。囲ってくれたのは攻めの気まぐれ(かな?)でも、たしかに救われたんだろうな。最初攻めの歪んだ愛が怖くて闇堕ちのメリバかなと思ったけど、ハピエン寄りですかね。後を追うっていう話の件は想像するとけっこう胸にくるものがありましたね。ほんとの捨て猫シロの存在がただただ癒やしでした。
リアルとノンリアルの境界を攻めた作品
ネタバレ
2023年10月17日
このレビューはネタバレを含みます▼ なかなかセンシティブな場面から始まり、最初はどうなることかとハラハラしながら読み進めました。
全部丸く収まるハッピーエンドでも暗い展開に落ちるバッドエンドでもなく。ひだまりのような、ふたりだけの結末がこのふたりならではの愛の形で素敵でした。
結果、世間からの逃避行ではありますので罪の大きさを考えると少しだけ胸が痛むような気もしますが、ふたりが人間らしく生きていてくれることで私の心は救われました。
犯罪を犯してしまった時点で隼人くんが許されることはないかもしれませんが、それでもその後の茨の道を佐和さんと一緒に歩んでいけることでどうか隼人くんも救われますように。
総合なかなかヨシ
ネタバレ
2024年4月21日
このレビューはネタバレを含みます▼ かなり重いテーマをそれなりのリアリティで扱っていて、それでも実際はこれよりもずっと悲惨なものだとは思うけれど、考えさせられるものがあった。所々ストーリーを進めていく上では仕方がないと思われるような安易な展開はあったけど、総合、なかなか良かったなという読後感。お仕事描写がもっとあったらさらに良かった。とくに退職後の新しい仕事面について読んでみたかった。
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スピン:悪くないけどふんわり
2023年10月19日
(10月新刊)『オレを守ると誓ってよ』のヒール役 佐波×隼人(テレビ局敏腕プロデューサー×元俳優)のスピン。

えげつない事をやらかした割にキャラが薄い二人だったので、彼らが主役ってさほど食指が動かず購入を躊躇しましたが。隼人よりも彼を踏み台にした佐波さんの大人げないエゴに引いたので、どんな男か知りたくて読んでみました。

猫二匹拾った佐波さんが一番の彷徨う仔猫だったし、過酷で儚いイメージのトーチカに合った話だし、タイトルがイイなと思えました。

せっかく機会があった隼人の両親と対峙して、佐波さんも一緒に火の粉を被ってからトーチカを移転させて欲しかったなとモヤモヤが。そこが二人らしいといえばそうなのかも…
オレを…のスピンオフ
2023年10月16日
まるっと表題作。プロデューサーとスピン元で人気俳友だった 病んだ元カレのお話し。仕事を干され 一癖あるプロデューサーの所に転がり込んだ人気俳友。自分のしでかした事をちゃんとして理解し 後悔して プロデューサーと2人で共に。なお話し。お互い想い合う相手ができてよかったなぁ。と。
スピンオフ
2025年5月16日
スピン元読んでたんですけど記憶から抜けてたんであとがきでスピンオフだと気づきました。設定自体は好きなんですけど、正直これだけで読むとなるとざっくりすぎるストーリーかなと。スピン元で被害者に会った場面読んできましたが、それで補完しても個人的に構成の雑な感じは拭えなかった。
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作家名: 木田さっつ
ジャンル: BLマンガ
出版社: KADOKAWA