春のデジャヴに踊れ
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春のデジャヴに踊れ

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二兎追うものは一兎も得ず

ネタバレ
2025年3月15日
このレビューはネタバレを含みます▼ 二兎追うものは一兎も得ずという諺があるけれど、同性同士だからといって決して悲観ではないよ…というか。

社交ダンスが舞台のお話で、先生自体が社交ダンス経験者なのかな?とにかく経験者が周りにたくさんいらっしゃる環境下で描かれているためか、もう滅茶苦茶所作、演出総てが美しかった……
美しすぎてエロいことに着目してしまうことに一瞬、罪悪感が芽生えるものの、滅茶苦茶エロかったからガン見しますた!ハハハ!エッチすぎ…エロすぎる…たくさん見たい!けど、エロさばかりじゃない本作。

思春期という難しい時期に社交ダンスに誘ってくれた花(晃介の母)に淡い恋心を抱いていた社会人の淳✕目の前で母を亡くして以降、社交ダンスから遠退いていた大学4年生の晃介。
社交ダンス、母、将来…社会に出た淳と社会に出る晃介が2人共初めて同性と付き合う為に、これから先にどちらも傷付かず後悔せずどこまでも互いを思い遣って社会に溶け込んでくかを人間味を噛み締めながら読んでいくのですが…本当に、2人共生きてる…どこかに実在しているのでは?というくらいに2人の会話が心地よく、面白く、温かく。
凄く身近に居るような気がするよ…

歳の差は8年、片やメガバンク本社勤務と片や教員希望…そして同性愛と。
いくら社会が昔と比べて同性愛に寛容になったといえど、今はSNSがあって秘めていたプライバシーを自他共にインスタントに公開する社会にもなっていて、逆に息しにくいと思う時ある。知ってほしい欲求を満たすためには楽しかったり悲しかったりという退屈を吹き飛ばす刺激が必要なんだよね。
だからソコを突き止めると他人への配慮が飛ぶ。
そういった怖さの中で、2人共が堅い仕事だからこその苦労が作中に小縁付いている。そして2人共ノンケだからこそ自分たちの血を引く子どもは諦めなければならない事を自覚して、それでも「互いを選ぶ」話も入っていて、久々にここまでしっかりガッツリなノンケ同士の話見れて私自身も「同性愛であることは」を再確認できたな…
本当に最後は他人なんかどうでも良いってなるけど、なるんだけどね…という総ては選べないし影がありつつも眩しい未来に生きていく2人の、凄く良い話だったです!!語り足りない…
良い!兎に角読んで…読み終わったらファンボにある発売記念漫画(無料)も読もう!紙特典は?!!数多すぎて富豪になりたい…読んで…、
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