拈華を待っていた 【電子限定特典付き】
」のレビュー

拈華を待っていた 【電子限定特典付き】

吾瀬わぎもこ

好いた男の為に泣けない住職とよく喋る男と

ネタバレ
2025年8月27日
このレビューはネタバレを含みます▼ 家族同然に育った幼馴染の男・羣司に秘めた想いを抱いていたが、彼は捜査中に殉職してしまい、お別れも言えぬまま実家の寺で供養を続ける唯真。
彼を失って8回目の月命日を迎え、羣司のバディであった捜査一課の番場と彼の後輩である田鍋が供養に訪れたが、毎月現れる田鍋に良い顔が出来ない唯真に対して田鍋はムカつくくらいに人懐っこく話しかけてくる。
物心がついて20と数年の間、恋を自覚し両親を亡くし天涯孤独となった羣司が家庭を持つことを夢見ても思いを告げず寄り添い、彼の幸せを願っていたのに迎えた結末はあまりにも非情で…だが寺の跡取りとして生きている唯真に悲しんでいる時間はなく、自らの読経で彼をお釈迦様の下へ送り出し、毎日のお務めをこなし………その繰り返し。
長年の想いに区切りも出来ず、別れも言えず突き付けられた現実に涙を出したくても出せない日々を過ごす唯真に、田鍋は軽々しく「悲しみは分かち合うべき」と口にする。たかが数年、先輩と後輩であった田鍋に自分の気持ちが解るものか!と、怒りのまま、半ば八つ当たりのように「だったら彼の代わりに慰めてくださいよ」と焚き付ける。
羣司と唯真はともに男性経験はなく女性経験しかない。それなのに、田鍋の答えは「出来ます」で?!

という話の始まりで、結果的に田鍋の粘り勝ちで見事恋人になるわけですが…

羣司と唯真に関しては、多分唯真が言えばOK出してくれてたのでは…と思うんだよね……
最期の力を振り絞れたのも唯真の言葉があったからじゃないかな…羣司〜!唯真は田鍋と幸せになるから安心しろよ〜!

それにしても唯真は未亡人過ぎで…あと本当、可愛くて上品な雰囲気なのにキチンと生臭坊主で笑ってしまった…やることはやってたのはリアルだな…

人助けの為に警察官となり正義を一身に警部となったが人の心の闇に披露していた羣司と、同じく正義を胸にいつまでも人に対してピュアな心を持つ田鍋。静と動、陰と陽かのように正反対の2人に愛され、そして田鍋に救われ、初めて泣くことが出来た唯真。
これからも羣司を忘れず、2人仲良く幸せに長生きしてほしい…!

エッヂシーンは芸術点高かったし最高でしたね…リベンジの2回目、心開いてきた唯真に呼応するかのように受け入れ態勢になった唯真の出入口に私は手を叩いて喜びました…
最高でした!また次回作楽しみにしてます!!
いいねしたユーザ32人
レビューをシェアしよう!